会社に依存せず、自分自身のキャリアを開拓していく手段として「転職」が一般化してきています。本記事では、人材会社を経営する福山敦士氏が、自身の経験から採用側の面接官はどのような基準で「この人いいな」「この人嫌だな」という判断を下しているのか解説していきます。※本連載は、福山敦士氏著『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(大和書房)を一部抜粋・再編集したものです。
転職の面接で「好かれる人」と「嫌われる人」の決定的な違い

面接中、つい使ってしまいそうになるNGワードとは

■これダメです…御社に入るのが夢でした

 

これを僕は「プロ野球選手になるのが夢でした理論」と呼んでいます。入団会見でこの発言をする人は活躍しなくて、もっと先の目標、「メジャーに行く」「日本シリーズで四番を打つ」と言えるような人が活躍しているのが現実です。

 

「アニメ業界に入るのがずっと夢だったんです!」と言われてしまうと、そこから頑張る可能性ももちろんありますが、面接官からすると「じゃあ入社したら終わり?」と感じてしまうのです。

 

広告の業界でもよくあります。電通に入りたいと思っていて実際に入れたのに、広告業界ってこんな仕事だったのか…とイメージと現実のギャップに打ちひしがれ辞めていくといったケースです。

 

希望の異業種に転職するという場合は、イメージが先行するケースもありますので、ここは自問してみてください。それで、「確かに入ることを目標にしてしまっていた」と感じたら、嘘でもいいので目標はもう少し先において、「こういうことをやりたくて、そのプロセスとして御社に入社し、実現していきたいんです」と語ることが大事です。

 

こういう方が面接官側もその先が見えますし、求職者側も万が一縁がなくても納得がいくのではないでしょうか。

会社ではなく、実現したいことを最優先に転職先を選ぶ

特定の企業にこだわりすぎると自身の可能性を狭めます。

 

例えば、「教育に携わりたいからベネッセ」というのは一側面では合っていますが、絶対解ではありません。IT企業に入ってタブレット端末用の教材をつくるという方向もあるかもしれませんし、学校法人という選択もあります。

 

オリンピックに携わりたい時、電通に入る手法もありますが、国の機関で働く方法も、大企業でスポンサーとして関わるという方法もあります。

 

「この会社」にこだわるより、やりたいこと・実現したいことファーストでキャリアを考えた方が、結果的に良い会社に出会えます。日本には400万以上の会社が存在し、あなたが知らない会社の方が多いのです。

 

いずれにせよ、過去・現在・未来を見たときに、転職活動を決して未来に位置させるのではなく、現在に位置させる視点が重要です。

 

■アドバイス…入社がゴールの人をあなたなら採用しますか?

 

 

福山 敦士

キャリア教育研究家/人材会社経営者