会社に依存せず、自分自身のキャリアを開拓していく手段として「転職」が一般化してきています。本記事では、人材会社を経営する福山敦士氏が、自身の経験から採用側の面接官はどのような基準で「この人いいな」「この人嫌だな」という判断を下しているのか解説していきます。※本連載は、福山敦士氏著『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(大和書房)を一部抜粋・再編集したものです。
転職の面接で「好かれる人」と「嫌われる人」の決定的な違い

面接官が「この人欲しい」と思う基準

■知るべきポイント…この会社で活躍できるイメージが湧くか

 

非常にシンプルな基準ですが、要は「この会社のメンバーとして働けるイメージが持てる」ような、ポジティブな関係性を面接の時間内につくれるかどうかです。

 

例えば、経歴に文句のつけようがない頭が切れる人が来たとしても、頭からその会社の問題点や改善点をビシバシ指摘し始めたとしたら、多くの面接官は「すごい人なのはわかるけど、うちに来てメンバーとして一緒にできるかな」という点で「ちょっと無理だな」と思ってしまいます。

 

経歴はさておき、会話がうまくできて「なんか面白そうだね」「一緒にやってみたいね」となったら、活躍できるイメージは湧きます。

 

面接官とは言っても一応その会社を代表しているので、その会社のイメージ、共通項となる何かをその人自身も持っています。面接官と会話ができてコミュニケーションできるのであれば、他の人ともうまくやっていけるかなと面接官は思えます。やはり彼らは、「自分の会社の社員とこの人が一緒に働くイメージが湧くか」というところを見ています。

 

経歴部分のスペック的なことを除いた場合は、やはり相性が一番大事になってきます。

採用面接とは、2〜3回で入社を決める難しいゲーム

そもそも、2〜3回程度の面接で採用を決めるということ自体が、かなりチャレンジングなことです。

 

2〜3回のデートで結婚する人を決めるのかということと照らし合わせると難しいことをしているとわかります。でもこれをポジティブに捉えるとしたら、「たった2〜3回会っただけで話が合うということは大丈夫だよね」という話です。

 

試しで10回、20回働いて順応できるか見るという考え方もありますが、それはお互い時間の無駄だということです。ですから、もっと回数を重ねて会えば「この人活躍できそう」と1回目2回目より思ってもらえる人は絶対いるはずなんです。

 

ですから、面接官が見落としていることも相当あるのは事実です。その短いチャンスで価値を出すことを求められるのが転職面接なので、そこに全力を出す最低限の準備はやはり必要だといえるでしょう。

 

■アドバイス…1回の面接で全てを見抜くのはお互い無理な話