会社に依存せず、自分自身のキャリアを開拓していく手段として「転職」が一般化してきていますが、転職面接では回答に迷うこともしばしば。そのひとつが「自己PR」です。どのように自分をアピールすれば効果的なのか……一部上場企業の人事部長や人材会社の経営などを通じてこれまで3,000人以上と就職面談を行ってきた福山敦士氏が解説します。※本連載は、福山敦士氏著『新しい転職面接の教科書~「最強の内定」を手に入れる!』(大和書房)を一部抜粋・再編集したものです。
「ビッグプロジェクトに関わっていた」ではアピール不足…転職面接「自己PR」の模範解答 (※写真はイメージです/PIXTA)

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■つまり…「役割力」を自覚できますか?

 

ポイントは、会社に対して何を提供できるかということです。ポイントは、「役割力」です。ビッグプロジェクトに関わったということ自体は、実は大きなアピールポイントではありません。

 

例えば、Suicaの開発に関わった人は何千人、オリンピックの仕事に関わった人は何万人いると言われます。そういう規模感の中では、企画をしたのか、地道に営業をして新規顧客を開拓したのかなど全体のプロジェクトの中でどんな役割を担ったのか、具体的な動きが何かが問われます。

 

■回答例
全社の社員総会を企画しました。会の狙いや目的を企画書にまとめ、経営企画室に提案し、予算の承認をとりました。会の目玉である表彰を盛り上げるべく、動画制作会社のコンペを行い、経営陣を巻き込んで作り上げました。結果、会の前後でメンバーの結束力は高まったように感じております。

 

このように、あくまでも、「動き」です。面接官はどんなすごい成果かということにこだわっているわけではないということです。成果に関しては、こちらで完全にコントロールできるものではありません。だから、行動目標の部分をちゃんとできたかが知りたいのです。

 

これは、会社としてやりたいことがあるときに、本人が全体像を把握し、それを実現するために大事な行動を見極め、動くことができるかということです。

 

■回答例

営業とバックオフィスがありまして、私はバックオフィスをやっています。営業が持ってきた案件を精査して、彼らの時間が無駄にならないようにサポートしています。

 

だと、役割力が明確なので、仮にポジションが変わっても全体像を把握して動いてくれるだろうなという想像ができます。

 

■アドバイス…プロジェクトを俯瞰し、自分はどの役割を担ったか?