本連載は、執筆活動の傍ら、億単位の資産を運用する個人投資家としても知られる加谷珪一氏の著書、『30年後もお金に困らない!共働き夫婦のためのお金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)の中から一部を抜粋し、高齢となった「親にまつわるお金」の扱い方を見ていきます。

★ お金持ちになれる人 ➡ できるだけ早いタイミングで管理する

★ お金に縁がない人  ➡ 親の経済状態を知らない

 

親が年を取ると、いろいろな問題が発生してきます。最終的にはお金の話に行き着くことがほとんどですから、こうした事態にうまく対処するためには、親が元気なうちから、しっかりとお金の管理をしておくことが重要です。

š本人でなければ銀行からお金は引き出せない

高齢者の多くが何らかの疾患を抱えています。今はまだ元気だとしても、いつかは病院のお世話になる可能性が高いと考えた方がよいでしょう。また病気をきっかけに要介護となるケースも少なくありません。親と子の間でお金に関する話がしっかりできていないと、イザという時には、それだけで大きな負担となってしまいます。

 

入院や介護ということになると、それなりにお金がかかります。親がどのくらいの貯蓄を持っているのか、年金収入がどのくらいあるのかなど、親の基本的な経済状況を理解していないと、適切な計画を立てることができません。親が病院から出られなくなってしまう、あるいは意思の疎通ができなくなってしまうと、問題はさらにやっかいです。

 

いくら身内といっても、銀行にしてみれば親と子は他人です。本人による手続きなしには、お金は一銭たりとも引き出すことはできません。印鑑や通帳の管理方法について、親子でしっかりと情報共有しておいた方がよいでしょう。ネット・バンキングの手続きをしておき、振り込みの操作などが遠隔でできるようにしておくのもひとつの方法です。

普段からざっくばらんにお金の話をする

親が倒れた後、親が管理している銀行からお金を引き出すことができず、結局、すべての費用を子供が支払ったというケースは珍しくありません。医療や介護の費用が高額になるケースでは、大きな問題となりかねませんから要注意です。

 

また高齢者の場合には、セールスマンに不必要な家のリフォームをしつこく勧められたり、条件の悪い金融商品を紹介されたりすることもあります。また日々の口座管理がうまくいかず、保険料の支払いが滞り、必要な時に保険金がおりないというケースもあります。まとまったお金は子供が別に管理し、高額の支出がある場合には、親が子供に相談するような状況にしておくのがよいでしょう。

 

日々のお金の出入りについても、ある程度は子供が把握できるようにしておくのが理想です。

 

こうした対策をスムーズに講じるためには、親が元気なうちから、密にコミュニケーションを取る必要があります。イザという時に、お金の話をするのは想像以上に大変なことです。普段からざっくばらんにお金の話をするように心がけましょう。

30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書

30年後もお金に困らない! 共働き夫婦のためのお金持ちの教科書

加谷 珪一

CCCメディアハウス

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