元経済産業省産業構造審議会・商品先物取引分科会委員でファイナンシャルプランナーの三次理加氏が執筆した『お米の先物市場活用法』(時事通信出版局)より一部を編集・抜粋し、お米の商品先物取引における価格決定要因について解説します。
日本の「お米市場」に悪影響を与える「小さな生き物」の正体 (※写真はイメージです/PIXTA)

<この連載の第1回記事はコチラから>

人口減少のせい?日本でのお米消費量が減っているワケ

(2)需給相場

 

収穫期の終わる頃から需給相場に入っていきます。需給相場期は、需要(在庫)主導の相場のため、消費・在庫動向に加え、政策で価格が変動します。

 

米は、国内では、生産・需要ともに年々減少傾向にあります[図表1]。昭和40年代には、1000万トンを超える生産・需要がありましたが、2019(令和元)年産の主食用米等生産量は726万トンでした

※農林水産省が令和元年12月10日に公表した「作物統計」による

 

[図表1]お米の全体需要の動向
[図表1]お米の全体需要の動向

 

ご承知の通り、日本は人口が減少傾向にあります。また、米は主食ではあるものの、パンや麺の消費も増加傾向にあります。そのため、当分、この傾向は続くものと思われます。

 

需給に関するデータは、米穀機構(公益社団法人米穀安定供給確保支援機構)から、毎月、DI調査(米取引関係者の判断に関する調査)が公表されています。これは、米取引関係者に対して行ったアンケート結果を指数化したものです。需給動向や価格水準等の取引動向に関する、現状判断、見通し判断が指数化されています。

 

需給動向は、数値が前月より100に近づけば、現状判断は「締まっている」、見通し判断は「将来、締まる」という見方が前月より強いことを示します。

 

価格水準は、数値が前月より100に近づけば、現状判断は「米価水準が高い」、見通し判断は「米価水準が高くなる」という見方が前月より強いことを示します。

 

また、同機構は、毎月、「米の消費動向調査結果」を発表しています。各家庭の消費・在庫動向が把握できます。農水省からは、12月中旬に「水陸稲の収穫量 ※当年産の収穫量・作況指数等」が発表されます。

 

また、米の消費のおよそ3割は、中食・外食が占めています。中食とは、惣菜や弁当等を買って食べることを指します。そのため、今後は、景気動向も米の消費に影響してくることが考えられます。

 

なお、農水省や米穀機構が公表するデータは、いずれも同省・同機構のホームページで閲覧できます。

 

<この連載の第1回記事はコチラから>