元経済産業省産業構造審議会・商品先物取引分科会委員でファイナンシャルプランナーの三次理加氏が執筆した『お米の先物市場活用法』(時事通信出版局)より一部を編集・抜粋し、米商品先物取引で資産を運用する方法について解説します。
新潟県産コシヒカリの「米商品先物取引」で資産を運用する方法 (※写真はイメージです/PIXTA)

<この連載の第1回記事はコチラから>

「米商品先物取引」で資産を運用する方法

■価格の上昇・下落で利益を追求

 

投資の基本は「価格上昇を期待して買い、上昇したら転売する」です。加えて商品先物の場合には、「価格下落を期待して売り、下落したら買戻す」という手法により利益を追求することも可能です。つまり、この二つが商品先物市場における基本的な資産運用方法です。

 

1.価格上昇を期待して買い、上昇したら転売する

 

取引にかかる損益のシミュレーションをしてみましょう。取引に際しての条件は、次の通りとします。

 

新潟コシの委託者証拠金 1万円
委託手数料(片道) 1100円(税込み)
預り証拠金は、全額現金で5万円

※大阪堂島商品取引所で取引される品種の一つ、新潟県産コシヒカリのこと

 

たとえば、新潟コシの価格上昇を予想し、1万6000円/俵で新規に2枚(25俵×2枚)買ったと仮定します。その後、予想通りに価格が上昇し、1万7000円/俵で転売しました。

 

この時の粗利益は、

 

(1万7000円【売値】-1万6000円【買値】)×25倍【倍率】×2枚【枚数】=5万円

 

粗利益から往復の委託手数料を差し引くと、純利益は、

 

5万円【粗利益】-1100円【委託手数料】×2【往復分】×2枚【枚数】=4万5600円【純利益】

 

取引終了後に手元に戻ってくる資金は、預り証拠金と純利益の合計になるため、

 

5万円【預り証拠金】+4万5600円【純利益】=9万5600円【手元に残る資金】

 

となります。

 

2.価格下落を期待して売り、下落したら買戻す

 

では逆に、価格下落を予想して売りから入った場合の損益シミュレーションをしてみましょう。取引に際しての条件は、先程と同じにします。

 

たとえば、新潟コシの価格下落を予想し、1万7000円/俵で新規に2枚(25俵×2枚)売ったと仮定します。その後、予想通りに価格が下落し、1万6000円/俵で買戻しました。

 

この時の粗利益は、

 

(1万7000円【売値】-1万6000円【買値】)×25倍【倍率】×2枚【枚数】=5万円

 

粗利益から往復の委託手数料を差し引くと、純利益は、

 

5万円【粗利益】-1100円【委託手数料】×2【往復分】×2枚【枚数】=4万5600円【純利益】

 

取引終了後に手元に戻ってくる資金は、預り証拠金と純利益の合計になるため、

 

5万円【預り証拠金】+4万5600円【純利益】=9万5600円【手元に戻る資金】

 

となります。

 

価格上昇を期待して「買い」から取引を始めた場合も、価格下落を期待して「売り」から取引を始めた場合も、値動きの幅、手数料、売買枚数が同じであれば、損益は同額になります。

 

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