元経済産業省産業構造審議会・商品先物取引分科会委員でファイナンシャルプランナーの三次理加氏が執筆した『お米の先物市場活用法』(時事通信出版局)より一部を編集・抜粋し、国内投資家が「お米」に投資することで享受できるメリットについて解説します。
金融商品としての「お米」が国内投資家にとって魅力的なワケ (写真はイメージです/PIXTA)

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「お米」は日本が生産国!為替変動の影響を受けない

「食べる米で資産運用? なんだかピンと来ないな~」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。米を資産運用先として考えた時、最大のメリットは「為替変動の影響を受けない」ということです。

 

商品先物取引において、主流となっている上場銘柄は金やプラチナ、原油、トウモロコシ、大豆等で、いずれも国際商品と呼ばれます。

 

たとえば、トウモロコシは、世界最大の生産・輸出国は米国です。国際的な指標価格として取引の基準になっているのは、米国CMEグループのシカゴ商品取引所(CBOT)の先物価格です。

 

また、原油も、米国が世界最大の生産国・消費国です。そのため、米国の消費・生産動向は、その価格形成に大きな影響があります。

 

原油について、世界の指標価格として取引の基準となっているのは、NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)に上場されるWTI原油です。そのため、これら国際商品について、日本国内における価格は、ドル/円の影響を大きく受けます。

 

ちなみに、原油、トウモロコシともに、日本は、ほぼ100%輸入に依存しています。両商品ともに、国内では、JPXグループ傘下の東京商品取引所に上場されていますが、いずれも消費国としての値決め、価格発信となります。

 

一方、米はどうでしょうか?

 

米は、原則として、日本で生産したものを国内で消費しています。従って、為替変動の影響を受けません。ちなみに、大阪堂島商品取引所に上場される米の価格は、生産国としての値決め、価格発信となります。投資先として米を見た時、「為替変動の影響を受けない」ことは、投資家にとって非常に大きな魅力です。

 

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