子育てをしている親御さんは、よく子供に「テレビばかり見ていないで勉強しなさい」と言いますが、その家の導線を考えてみてください。
家を買った時、引っ越した時、家具の場所を決める時、まず初めに置き場所を決めるものは何かというと、おそらく大半の方がテレビだと思います。
部屋の一番見やすいところにテレビをどーんと置きます。次にテレビが見やすいようにソファーかベッドをどーんと置くんです。これで子供がテレビばかり見る導線が完成です。これでは子供がテレビを見てしまうのは必然といえます。良くないと思うことがあったら、まずはそういう観点で見てみます。
これが環境的に良くなる仕組みを作るということです。次に人的面です。「三流の先生は問題の解き方を教え、二流の先生は問題の考え方を教え、一流の先生は問題の楽しみを教える」というメンタリストのDaiGoさんの言葉があります。
マネジメントの本には様々なものがありますが、私が大切にしていることはこの考え方です。楽しくなると自分から能動的に学びたくなったり教えたくなったりしますよね。
自分の足で立って学べる力を身に付けさせる
私が目指すべき、良くなる人的面の仕組みというのはこの「自発性」だと思います。褒める行為は一時的なモチベーションを上げるかもしれませんが、褒められるために何かを行うという、そもそもの目的が変わってしまいます。
お互いがいなくなっても自分の足で立って学べる力、これが真に良くなる仕組みだと思います。
私は仕事で新人さんやスタッフさんにトレーニング(指導)する機会があります。その時に意識しているのは、大きく三つに分類される「できない理由」です。
一つ目は「やり方を知らない」。そもそもそれをやるための知識、方法を知らない。例えば「料理のレシピが分からない」等、知識が不足している。
二つ目は「やり方を知っているけどできない」。やり方は分かるが物理的にできない。または経験回数が少なくできない。例えば「料理のレシピは知っているが料理初心者で、頭では分かるが体がついていかず、うまくできない」等、技術経験が不足している。
三つ目は「やり方を知っていて、やればできるのだけれど、やらない」。例えば「料理のレシピも知っていて料理を作る腕もある。ただ、料理を作りたくない気分」等、意欲が不足している。
この三つで厄介なのは、やはり3番目です。知識がなければ教えてあげればよいし、技術がなければ一緒に練習してあげればよい。ただ、意欲がない場合は単純ではありません。意欲を引き出す必要があり、その方法は一人ひとり違います。
一度意欲が低下してしまうと回復させるのが難しいのです。トレーニングを行う際は、まず、この仕事を楽しいと思ってもらえるような説明を心がけ、それを達成するとどうなるかを事前に説明したり見せたりすることにしています。「一流の先生は問題の楽しみを教える」をもとに、自発的に学びたいと思える環境作りが大切です。
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中田 聡喜
合同会社4U International代表。
島根県浜田市出身。1989年生まれ。大学で教職を専攻し教員を目指すが生徒に"生の企業体験を話したい"と思い一般企業への就職を決意。新卒で就職し8年間勤務。飲食店で店長からスタートし、50店舗統括マネージャーまで至る。マネージャーとして店舗運営、人事、経理を行い、2018年、個人で会社をM&Aして事業経営に挑戦。
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