元経済産業省産業構造審議会・商品先物取引分科会委員でファイナンシャルプランナーの三次理加氏が執筆した『お米の先物市場活用法』(時事通信出版局)より一部を編集・抜粋し、商品先物取引の特徴について解説します。

株は1株当たりの値段を表示する…金や米の単位は?

(3)値段の表示単位

 

前述したように、株式の売買単位は、原則として100株単位です。しかし、ニュースや新聞で報道される株価は、100株単位ではありません。NTTドコモは2870円、日立製作所は4002円というように1株あたりの値段が表示されます。商品先物取引の場合は、どうでしょうか?

 

商品先物取引の値段の表示単位は、商品により異なります。前述したように、商品先物取引は、商品によって1枚あたりの数量、数量の単位が異なります。同じ1枚でも、たとえば金は1000グラム、トウモロコシは50トンです。

 

これらを1枚あたりの価格で表示しようとすると、数十万から数百万円と大きな金額になってしまいます。そこで、わかりやすくするために、1枚あたりの金額ではなく、数量の単位ごとの値段表示になっています。

 

たとえば、1枚1000グラムの金は1グラムあたり、1枚50トンのトウモロコシは1トンあたりの値段が表示されます。米の場合、秋田こまち、新潟コシ、東京コメ、いずれも1俵(=60キログラム)あたりの値段表示です。

 

この値段を表示する単位のことを「呼値(よびね)」といいます。また、株式の場合、たとえばNTTドコモは1株あたり1円刻みで価格が変動します。株式の場合、1株あたりの値段によって、価格が変更する値段の刻みが異なります。つまり、銘柄により値動きの最小単位が異なります。商品先物取引の場合も同様です。

 

たとえば金は1円刻み、トウモロコシは10円刻みと、商品により値動きの最小単位が異なります。米の場合は、秋田こまち、新潟コシ、東京コメ、いずれも10円刻みです。この値動きの刻みを「呼値の単位」といいます。

 

 

三次 理加

ファイナンシャルプランナー

 

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お米の先物市場活用法

お米の先物市場活用法

三次 理加

株式会社時事通信出版局

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