元経済産業省産業構造審議会・商品先物取引分科会委員でファイナンシャルプランナーの三次理加氏が執筆した『お米の先物市場活用法』(時事通信出版局)より商品先物取引の特徴について一部編集・抜粋し、解説します。

商品先物取引の特徴としくみ…取引所の意外なルール

商品先物取引には、どのような特徴があるのでしょうか? 今回紹介する特徴は、次の2点です。

 

(1)取引所取引

(2)証拠金取引

 

(写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

(1)取引所取引

 

投資家が上場株式を取引する際には、証券会社を通じて「証券取引所」に注文を出します。投資家が直接、証券取引所に行って注文を出すことはできません。現在、証券取引所は全国に5カ所あります。

 

日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所、大阪取引所に加え、札幌証券取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所です。これら証券取引所は金融庁の管轄下にあります。

 

商品先物取引の売買も上場株式と同様、商品先物取引業者等を通じて「商品取引所」で行われます。商品取引所の開設には、主務大臣(経済産業大臣または農林水産大臣)の許可が必要です。

 

投資家や当業者が商品先物取引を行う場合には、商品先物取引業者または商品先物取引仲介業者に委託します。商品先物取引業者は、主務大臣の許可を受けた会社です。また、商品先物取引仲介業者は、商品先物取引業者の委託を受けて、媒介を行うことを業とし主務大臣の登録を受けた者(個人または法人)です。

 

ただし、商品先物取引仲介業者が顧客から金銭・有価証券の預託を受けることは禁止されています。なお、商品先物取引業者または商品先物取引仲介業者に所属して営業活動を行ったり、売買注文を受けたりする従業員は、日本商品先物取引協会に登録した外務員です。

 

(2)証拠金取引

 

商品先物取引は、総取引金額のおよそ3~10%程度の資金で取引を開始することが可能です。この資金のことを「証拠金」といいます。

 

逆にいえば、資金の10~30倍近い取引ができるということです。そのため、非常に資金効率が良い取引といえます。このことから、商品先物取引は「てこの原理(レバレッジ)」を使った取引といわれます。

 

半面、現物取引に比べ、利益・損失ともに大きくなる傾向があります。そのため、資金に余裕を持って取引する必要があります。具体例で見てみましょう。

 

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お米の先物市場活用法

お米の先物市場活用法

三次 理加

株式会社時事通信出版局

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