ネットで不用品を売却して、小遣いかせぎをする
今のシニア世代は、ひとつ上の世代と違って、ほとんどの人がネットを使いこなせます。日本中どこにいてもネットで商品が注文できるのは、とても便利ですが、その便利さがあだになることも忘れないでください。
とくに老後生活に入ると、体力的な問題もあって、ネット注文がこれまで以上に増える可能性があります。今はスーパーやコンビニもネット販売を積極的に行っていますから、ネット注文と宅配が日常の光景になるのは時間の問題です。しかし、クリックひとつで品物が買える便利さが、浪費のリスクと紙一重だということを肝に銘じておきましょう。
お財布から現金を出すときの重みと比べると、ネットで商品を買うときは、いともたやすくクリックしてしまいます。そのせいか、あとで商品が届いたとき、「なんでこんなもの、買ったんだろう」とか「それほど欲しくはなかったな」ということがよくあります。
かくいう筆者も本が好きなので、アマゾンで本のラインナップを見ていると、欲しいものがいろいろ出てきてしまいます。そんなとき筆者がやっているのは、いったんカートに入れてひと晩寝かす、ということです。
そして翌日、冷静な頭でもう一度カートの中をのぞいてみます。すると、「なんで、こんなものを欲しいと思ったんだろう。さっぱりわからない」「いったいなにを勉強したかったんだろう」という本が入っているのです。
疲れているときは、脳もぼおっとしているので、血迷ったものを選んでしまうのでしょう。こんなものをいちいち買っていたのでは、とんでもない浪費になってしまいます。ですからネットで購入するときは、いったんカートに入れて、ひと晩寝かせる習慣をつけるのがいいと思います。
またよくあるのは、配送料無料になるまで商品を買い続けてしまうこと。「5000円以上買うと配送料が無料になる」と書いてあると、ついよけいなものまで買ってしまいがちです。しかし配送料が無料になっても、その分、買い物は増えているので、けっして得にはなっていない、というあたりまえのことに早く気がつきましょう。そういう小さな浪費が集まって、大きなほころびにつながっていくのです。
なおネットが使える世代なら、ネットで買うばかりでなく、売って小遣いかせぎをすることも考えてみたらどうでしょうか。
老後生活に向けて、生活をダウンサイジングするさい、不用品が出てくるはずです。こうしたものをヤフーオークションやメルカリなどの不用品を売買するサイトを利用して処分するのです。思わぬ収入になることもあります。
筆者の知り合いも、生前整理もかねて、古い家具やこけし、記念品などを整理したのですが、業者に持っていってもらうと、お金がかかるところを、メルカリに出したら、若い人が珍しがって、高値で買ってくれたそうです。
年を重ねると、いろいろものが増えてきます。昭和のガラクタなど、一見価値がなさそうなものでも、意外と高値がつくことがありますので、ネットを利用して販売するのも、ひとつの方法だと思います。
横山 光昭
株式会社マイエフピー代表取締役
家計再生コンサルタント
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