AI化、終身雇用の崩壊、コロナ不況……混沌としている世の中では「会社に頼らなくても生きていける力」を養うことが大切です。今回は、その力の一つである「先見力」を身につける4つのポイントを見ていきます。※本連載は、金川顕教氏の著書『年収1億円の神ルール10』(ポプラ社)より一部を抜粋・再編集したものです。
過去から未来を予測する「先見力」…身につけるための4つのポイント (※画像はイメージです/PIXTA)

ポイント③:「国際標準」で物事を見る

将来を予測するのは、なかなか難しいことです。だからこそ、AIの勉強をする、ネットの勉強をする、デジタルの勉強をする、株価のチャートを見るなどといった行動を通して、先見力を養うことが大切です。

 

そこで、先見力を養う時に、基準となるのは国内ではなく、国際標準です。

 

例えば、消費税を見ると、イタリアをはじめとするヨーロッパの国の多くは大体が20%台です。日本は、現在、その半分の10%です。今後、消費税の引き下げをすることはないでしょうから、徐々に20%に近づいていくでしょう。

 

一方で、法人税、所得税、贈与税、相続税といった直接税は、日本はとても高い税率です。4000万円以上収入があっても、全国一律の住民税10%に加えて、超過累進税率で所得税が45%。

 

例えば年収が1億円の場合、日本では、そのうち、5500万円を住民税・所得税として払わないといけません。すると手元に4500万円しか残りません。

 

しかし、シンガポールは住民税がなく、所得税も22%です。ですから、もし筆者がシンガポールに住めば3300万円、毎年貯金を増やせるわけです。

 

今後、経済はグローバリズムにより、どんどん国際的な標準に各国が合わせていくことでしょう。政治も同様なので、消費税も上がるはずです。このように、先見性を持つためには、日本国内だけを見るのではなく、海外の状況と比べることも大切です。

ポイント④:「Amazon」の動きに注目する

知るというのは非常に重要だとお話ししましたが、筆者は先見力を語る上で、Amazonというのは、外せないキーワードだと思っています。特にビジネスに関わっている人は、先見力を養うためには、Amazonの動きに注目しておくことをおすすめします。

 

例えば今、ドローンが、研究、調査、撮影などに使われていますが、Amazonは、すでに空の中にドローン基地を設置する許可の申請を本国ではしています。つまり、いずれAmazonで購入した商品は、配達員が届けてくれるのではなく、ドローンが運び、ベランダに置いたり、家の前まで届ける時代になるということです。

 

また、Amazon GOというコンビニのような形態のショップが本国のアメリカには多数ありますが、この店の特徴は、店員さんがいないことです。このコンビニに入るとAmazonのアカウントで認証され、商品を持って出たら、そこで決済がなされるという仕組みになっています。ICカードやクレジットカードで払ったり、携帯の電子マネーをかざす必要もありません。

 

さらに陳列によるプロモーションや、仕入管理や在庫管理も、コンビニの中に設置したセンサーやカメラで管理し、こういう若い人はこういう商品を買う傾向があるというように、全てデータ化をしています。そして、店舗ごとに違う商品を仕入れたりするわけです。

 

海外のスーパーなどは、現在どんどんAmazon GOのようになっています。スーパーは地域性が強いので、在庫管理は非常に重要です。

 

1ヵ月の購買データを、顔と名前とポイントカードで認証できれば、この人はこれを買う傾向にあるというように、仕入れも無駄なくできるようになるのです。Amazonは1995年から営業を開始して、株価は上場してから1000倍になっています。10万円買っていたら1億円以上になっているような、それぐらい伸びている会社です。

 

先見力をつけるためには、GAFA、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)といった企業を、しっかり理解して、研究することが非常に重要だと考えています。

 

金川 顕教

公認会計士