車や住居費用は「つみたてNISA」で増やす
●投資枠は低めだが期間が長いのでこつこつ貯めよう
NISAがスタートした4年後の2018年に「つみたてNISA」も利用できるようになりました。NISAとつみたてNISAは同じ年に使用することはできないので、どちらが自分の目的に合っているか見極めるようにしましょう。
つみたてNISAとNISAの大きな違いは、非課税の投資枠と期間です。つみたてNISAの非課税投資枠の年間の上限は40万円なので、NISAの120万円よりかなり低めになっています。しかし、非課税期間はつみたてNISAが20年、NISAは5年なので、つみたてNISAのほうが圧倒的に長くなっています。
そして、購入可能な商品は、金融庁の条件をクリアした投資信託とETFのみです。さらに、認められた投資方法は積み立てのみですので、つみたてNISAは、こつこつと長い期間をかけてお金を増やしたい人に向いています。
NISAの場合
NISAの非課税投資枠の年間上限は120万円、非課税期間は5年です。最大投資額600万円。
つみたてNISAの場合
つみたてNISAの非課税投資枠の年間上限は40万円、非課税期間は20年です。20年間の合計投資額は800万円と、通常のNISAより高くなります。
★つみたてNISAとは…
つみたてNISAの投資方法は積立投資のみで(通常のNISAは一括購入と積立投資)、購入できるのは金融庁の条件をクリアした投資信託とETFのみ。金融庁が認めた優良商品のみが対象になるので安心できる点もメリット。長期間かけて積み立てていくだけでなく、好きなタイミングで解約が可能です。住宅や自動車の購入や、老後のための資産づくりに向いているといえます。
年金を増やしたいなら「iDeCo」
●多くの人が入れて節税効果というメリットもあり!
老後のお金に不安を抱いている人が検討したいのは、iDeCo(個人型確定拠出年金)です。
★iDeCoとは…
iDeCoは自分で作る年金です。毎月積み立てたお金(掛け金といいます)が、金融機関のプロによって投資・運用されて、増えていきます。また、受け取り方法は一時金と年金との2パターンがあり、自分で選べます。なお、加入期間が10年未満の場合だと、8年以上は61歳から、6年以上は62歳からというように、受給開始が遅くなります。
iDeCoは日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で、国民年金・厚生年金加入者なら誰でも加入することができます。
毎月5000〜6万8000円(上限は加入者の職業によって変わります)を積み立てていき、60歳になると積み立てたお金を引き出すことができます。裏を返すと、60歳まではお金を引き出すことができません。
★iDeCoに加入できるのは…
20歳以上60歳未満の国民年金・厚生年金加入者が入れます。国内に住んでいる人が加入対象者となります。加入者の職業によって分類され、毎月の掛け金の上限額が変わってきます。
第3号被保険者
第2号被保険者に扶養されている年収130万円未満の主婦・主夫。掛け金の上限は月額2万3000円です。
第2号被保険者
会社員、公務員。会社に企業年金がない会社員は、掛け金の上限は月額2万3000円。また、企業年金に加入している会社員は上限が2万円など、iDeCoの掛け金は異なります。
第1号被保険者
営業者、フリーランス、学生など、掛け金の上限は月額6万8000円です(国民年金基金または国民年金付加保険料の掛け金と合算した額です)
また、毎月の掛け金が所得控除の対象で、運用益も非課税、受け取るときも一定額までは非課税となるので、積み立て時と運用時と受け取り時に節税効果があります。
★掛け金、運用利益、受け取り時のうれしいメリットとは?
掛け金が所得控除の対象となり、運用で出た利益も非課税、積み立てたお金を受け取るときも一定額まで非課税。このように積み立てるとき、運用するとき、受け取るときの3段階で節税できます。
(本文イラスト:藤井 晶子)
平野敦士カール
カール経営塾 塾長
株式会社ネットストラテジー 代表取締役社長
社団法人プラットフォーム戦略協会 代表理事
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