毎朝「いってきます」と元気に学校に出かけていく子どもたち。しかしすべての家庭でそんな日常が綴られているわけではなく、学校に行けない子どもたちがいます。今回は「不登校」について考えていきましょう。

文部科学省調査…全国の不登校の子どもは23万人

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全国で不登校の子どもはどれくらいいるか、知っていますか?

 

文部科学省『令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』によると、小学校、中学校、高校の長期欠席者数は、小学校9万89人、中学校で16万2736人、高校で7万6775人。そのうち不登校なのは、小学校5万3350人、中学校12万7922人、高校5万100人で、在籍数に占める割合は、それぞれ0.8%、3.9%、1.9%となっています。不登校は小学校、中学校で平成25年から前年比プラスを記録しています。

 

小・中学校の学年別に不登校児童生徒数を見ていくと、学年が上がるごとに増加し、特に中学校に入ると一気に増加。中学3年生では不登校生徒が5万人弱に達します。

 

■学年別不登校児童生徒数

小1 2744人
小2 4549人
小3 6715人
小4 9466人
小5 1万3282人
小6 1万6594人
中1 3万4324人
中2 4万5327人
中3 4万8271人

 

都道府県別に見ていくと、児童1000人当たりの不登校は全国平均8.3人。そのなか、最も多いのが「島根県」で1000人当たり14.3人。「沖縄県」「長野県」「静岡県」「高知県」と続きます。一方で最も少ないのが「鹿児島県」で5.2人。「山形県」「宮崎県」「福井県」「岩手県」と続きます。

 

一方で中学校生徒1000人当たりの不登校は全国平均39.4人。そのなか、最も多いのが「宮城県」で51.0人。「高知県」「北海道」「静岡県」「山梨県」と続きます。一方で最も少ないのが「福井県」で28.4人。「岩手県」「富山県」「山形県」「秋田県」と続きます。

 

不登校になる理由はさまざまですが、小中学校で最も多いのが「無気力・不安」で39.9%。「いじめを除く友人関係をめぐる問題」で15.1%、「親子の関わり方」で10.2%と続きます。高校で最も多いのも「無気力・不安」で33.8%。「生活リズムの乱れ・あそび・非行」が15.0%、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」が12.1%と続きます。

 

学年が低いと家庭内の要因が多く占める傾向がありますが、最も多い「無気力・不安」という理由は、大人からしたら「甘えだ」とか「たいしたことではない」と思うかもしれません。しかし「小学校から中学校に入り、急に勉強が難しくなり、不安に感じて学校に行きたくなくなった」というようなよくあるケースは、子どもたちにとっては重大な問題です。「何となく学校に行きたくない」「漠然と不安を抱えている」には、子どもたちからのSOSが隠されていますから、やはり解決しなければならないでしょう。

 

また高校に入ると不登校、そのものが減りますが、それは高校では中退という選択肢があるから。中退し、新たな道がある生徒の場合はいいですが、そのほかの場合は問題です。いかに中退者を減らすかの取組みが必須です。

 

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