発達に凸凹がある子どもの保護者にとって「どんな支援サービスを選んだらよいか」は頭を悩ませるテーマのひとつだといえます。本連載では、発達障害グレーゾーンの特性をIT分野で活かし経営者となった齋藤秀一氏が、自身が放課後等デイサービス「ココトモ」設立にあたり、意識したポイントについて解説していきます。

職員が利用者と向き合える「環境づくり」が大切

通常、放課後等デイサービスなどの障害福祉施設に入所する場合、「個別支援計画」を一人ひとりのお子さんに対して立てます。保護者の方へのヒアリングなども行い、困りごとはどんなものがあるのか、それに対しての課題は何かを探り、本人や保護者の意向、短期、長期での目標などを設定するのです。

 

では現場の職員がそうした計画をきちんと把握できているかというと、実際にはできていないことも少なくありません。なぜそうなってしまうのか。「個別支援計画」を紙で作成しても、作成してそのままになってしまっているからです。

 

利用者の数が増えると、現場の職員が一人ひとりの子どもたちの個別支援計画を紙をめくって確認するということが現実的に難しくなります。そのため職員の感覚頼りで、嵐のように毎日の支援や業務をしているというケースが多いのです。そして半年に一度のチェック時にまとめて振り返りを行うものの、それではどうしても職員任せの支援になってしまいます。

 

すごくしっかりとした施設では、毎週きちんと振り返りを行っているのですが、やはり忙しくてとてもやれないところのほうが多いのです。

 

そうした問題がある現状でも、HUGを使った場合は、毎日一人ひとりの利用者の子どもに対して、どんな個別支援計画があるかをすぐに確認でき、前回のチェックでどれぐらい目標達成できているかも簡単に把握できます。

 

システムで共有されているので、誰が担当してもきちんと個別対応ができるのも特長。一般的なシステムでは、事業者にいちばんニーズの高い請求業務には対応しても、こうした個別支援計画に対応できるものは少ないのです。

 

本気で障害福祉施設のサービスを支援しようとすれば、誰がやってもきちんと利用者の子どもと向き合えるものにしなければならない。客観的に一人ひとりをモニタリングでき、どんな成長をしてどこに課題があるかを、誰もが正しく把握できるということが大前提だといえるでしょう。

 

 

株式会社ココトモファーム 代表取締役
株式会社まなぶ 取締役会長
株式会社ネットアーツ 代表取締役

齋藤 秀一

 

 

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発達障害でIT社長の僕

発達障害でIT社長の僕

齋藤 秀一

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障害は一見して「障害」とは分かりにくく、周囲の理解を得づらいため、生きづらさを抱えてしまうのです。 本書では、発達障害グレーゾーンの特性をIT分野で活かし経営者となった著者が、障害を才能に変え、自分の居場所…

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