老後資金を貯めようと思っても、「投資は難しそう」「何から始めたらいいかわからない」という人は多いでしょう。今回は、上地教授と中村さんの会話から、「外国株式インデックスファンド」で無理なく老後資金2000万円を作る方法を見ていきます。※本連載は、上地明徳氏の著書『老後の資金 10年で2倍にできるって本当ですか?』(青春出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「老後資金2000万円」では、ゆとりある生活は困難

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

──少し前に、金融庁が、年金以外に2000万円必要だと公表して大きなニュースになりましたよね。結局、老後資金っていくらあったら大丈夫なんでしょうか?

 

人それぞれというのが正解ではありますが、せっかくなので、金融庁の試算に基づいて老後にいくら必要かを考えてみましょう。

 

──はい、お願いします!

 

金融庁が試算したのは、65歳無職の夫婦で、年金収入が約21万円、毎月の支出が26万円と仮定した場合の話です。毎月5万円の赤字ですね。その夫婦が、95歳までの30年間生きる前提で計算すると、約1300万円~2000万円不足することになります。

 

といっても、これはあくまで試算です。支出については、毎月26万円で試算していますが、田舎で暮らす人と東京の港区で暮らす人とではまったく金額が異なってきますよね。

 

──たしかに、住む場所によって物価も違いますし、一概には言えませんよね。でも、仮に収入が21万円なら、頑張って予算内で生活すればいいんじゃないですか? 毎月5万円の赤字をなくせば大丈夫ってことですよね。

 

はたして簡単でしょうか? 試算の内訳を見ると、支出26万円のうち、教育娯楽費が月2万円となっています。これでは温泉旅行にも行けませんし、外食もろくにできません。お孫さんにお年玉をあげることもできません。

 

──う……。老後の娯楽資金が少ないのは、ちょっとつまらないですね。

 

それに、自営業者などで国民年金だけの人、厚生年金の加入期間が短い人は、年金の受給額が21万円よりさらに低くなるので、2000万円では足りないと思うんです。

 

──シビアな現実ですね〜。

 

人生100年時代と言われます。にわかには信じがたいですが、2007年以降に生まれた日本人の半分が107歳まで生きるというデータもあります。さらなる長寿化が進む中、金融庁の出した試算では、ゆとりある生活を送るにはほど遠いと言わざるを得ません。

 

──できれば、ゆとりある老後生活を送りたいものですが、その場合はいくらあったら大丈夫ですか?

 

中村さんは、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」は確認していますか?

 

──届いているのは見たことありますが、そういえばちゃんと確認したことはないです。

 

家に帰ったら、ぜひ確認してみてください。平均寿命以上まで生きることを前提に、自分に必要な老後のお金がいくらかを試算してみるといいですよ。

 

 

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老後の資金 10年で2倍にできるって本当ですか?

老後の資金 10年で2倍にできるって本当ですか?

上地 明徳

青春出版社

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