米インフラ投資計画 注目の気候変動対策案の概要は?

ピクテ投信投資顧問株式会社
米インフラ投資計画 注目の気候変動対策案の概要は?

米バイデン政権は3月31日に8年間で総額約2兆ドル規模のインフラ投資計画案を発表した。道路や橋、港湾、空港などのインフラ整備や、高齢者や障害者向けに手ごろな地域密着型介護サービスを拡充する案などが含まれる中、注目は米国が成長戦略の一つとして掲げる気候変動対策だろう。財源確保の増税に共和党が反対する中、気候変動対策案の行く末はいかに?

調査官は重加算税をかけたがる
税務調査を録音することはできるか?
5/19(日)>>>WEBセミナー

多岐にわたる気候変動対策案

米バイデン政権が発表したインフラ投資計画には様々な気候変動対策案が含まれており、大別すると電気自動車(EV)関連や再生可能エネルギーといったクリーンエネルギー関連投資の促進が中核となっている。

 

最も予算が多く割り当てられている「EVの投資促進」においては、一連のEVサプライチェーンを米国内に構築することを目指す案や、EV購入を促す優遇策や50万ヵ所の充電ステーションを設置する案などが含まれており、EV大国として台頭しつつある中国への対抗策とも言える施策が顕著に表れている。

 

出所:ホワイトハウスのファクトシートを基にピクテ投信投資信託顧問作成
[図表1]インフラ投資計画に含まれる主な気候変動対策案 出所:ホワイトハウスのファクトシートを基にピクテ投信投資信託顧問作成

 

クリーンエネルギー電力の投資には、およそ1,000億ドルの予算案が組まれている。テキサス州で起こった大規模な停電が反面教師とされ、効率的な送電網投資の重要性がうたわれているほか、2035年までに電力部門においてカーボン・ニュートラルを実現させるため、再生可能エネルギー発電の投資促進を目的とした税額控除期間の10年延長などが盛り込まれている。

 

連邦政府自身もクリーンエネルギーを積極的に支援する方針を掲げており、電気自動車や充電ステーション、ヒートポンプなどを購入支援する予算案(460億ドル)が提案されている。さらに、クリーンエネルギーに関する研究開発も強化される見込みで、米国がクリーンエネルギー分野で世界的リーダーとなるための礎が築かれることになる。具体的には、気候に関する応用研究機関(ARPA-C)の設立に加え、蓄電池や二酸化炭素回収・貯留、水素、浮体式洋上風力、EVなどの研究開発支援などが挙げられている。

米国が開催国である気候変動サミットが4月22日~23日に控えている

今回のインフラ投資計画は、財源確保のため連邦法人税の引き上げ等がセットになっていることから、早くも野党共和党からは反対の声が上がっている。

 

しかし、今年3月に成立した約1.9兆ドルの追加景気対策と同様に、財政調整措置によって米民主党単独で成立させる可能性があるほか、米国が開催国となっている気候変動サミットが今月22日~23日に予定されているため、グローバル・リーダーとしての威信を賭けて何らかの具体策を示す必要に駆られている。

 

同サミットでは、2030年までの二酸化炭素削減目標が発表される予定であり、さらに今年11月には第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)も控えている。もはや「賽(さい)は投げられた」状態だ。

 

出所:各種資料を基にピクテ投信投資顧問作成
[図表2]2021年の気候変動関連イベント 出所:各種資料を基にピクテ投信投資顧問作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米インフラ投資計画 注目の気候変動対策案の概要は?』を参照)。

 

(2021年4月5日)

 

田中 純平

ピクテ投信投資顧問株式会社 

ストラテジスト

 

\PR/ 年間延べ7000人以上が視聴!
カメハメハ倶楽部
「資産運用」セミナー

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

【4/16開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【4/16開催】次世代のオルタナティブ投資
「プライベートクレジット投資」とは

 

【4/17開催】調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法

 

【4/19開催】良い案件を見つける3つの方策とは?
「日本型オペレーティングリース」投資の基礎講座

 

【4/20開催】「相続手続き」完全マスター講座
~相続人調査、財産調査、遺産分割協議~

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録