
産後の夫婦関係はその先何十年を左右する。日本では「産後うつ」になる女性が30%を超えるが、パートナーのサポートが得られなかったことも大きな原因だろう。東野産婦人科院長の東野純彦氏が、夫婦で仲良く過ごすための男性からの働きかけのヒントを伝授する。
他社時間を早めていた夫。でも妻は不満げで…
【拓郎と聡美の事例】
拓郎さんは子どもが生まれてからというもの、退社時間を早めていました。19時前には家に着き、食事前には子どもをお風呂に入れる。これが拓郎さんの日々の役割です。

晩ごはんの支度で忙しい時間帯に、夫がお風呂に入れてくれるのは、妻の聡美さんからしてもすごく助かっています。
しかし、困ったことがありました。拓郎さんが子どもをお風呂に入れると、かなりの確率で大泣きしてしまうのです。
そのたびに「おーい。泣き出したぞ」と声がかかるので、聡美さんは料理の手を止めて、様子を見に行かなくてはなりません。その結果、結局聡美さんが面倒を見るケースがほとんどで、子どもをお風呂から出したあと、料理を再開して食卓を整えるのが常でした。
あるとき、いつものようにお風呂を終えて拓郎さんが子どもの面倒を見ていると、また泣き出してしまいました。
そして「抱っこしても泣き止まないんだよなあ」とキッチンまで連れていき、聡美さんに預けます。すると、さっきまで泣いていた赤ちゃんがピタリと泣き止んだのです。それを見てほっとした拓郎さんは、「やっぱりママが良いんだね」と言ってしまいました。
すると、聡美さんの表情が一変。
「そうやって、結局あなたは何もしないわけ?」
さっきまで子どもに優しい顔を向けていた妻が、いきなり怒り出したのです。拓郎さんは驚きました。
「何もしないってどういうこと?」
「いつだって私に押し付けるじゃない」
「なんだよそれ。仕事を早く切り上げてお風呂に入れたり、面倒見たりしているじゃないか」
「できる範囲で、でしょう?」
「できる範囲でして何がいけないんだよ。こっちは仕事もあるんだから」
「仕事をしてたら子育てはしなくていいの? あなたの子でしょ!」
「そりゃそうだけど、お風呂に入れたって、俺がやると泣き出すから仕方ないだろう」
「泣き止ませるにはどうしたら良いか、少しは考えてよ」
「なんだよ、その言い方!」
こうして、楽しいはずの食卓がピリピリしたムードになってしまいました。
「やっぱりママが良いんだね」でキレた理由は…
さて、聡美さんの怒りは何が原因だったのか。きっとこれが初めてのことであれば、ここまで怒りの感情は湧かなかったはずです。
ところが子どもが泣くたびに妻を呼び「子どもは母親がいちばん」と聡美さんにすべてを任せていたのがいけなかった。
子育てに関していえば、夫も妻も1年生です。
周囲に育児経験者はいるけれど、自分自身に経験があるわけではありません。女性だから家事が好き、育児が得意というのは男性の勝手な思い込みでしかない。夫も妻も、親としては同じスタートラインに立っています。
手探り状態のなか、失敗も一緒に経験しながら互いに成長していく。そんなスタンスと思いやりを持っていれば「やっぱりママが良いんだね」なんて言葉は出てこないはずです。
東野 純彦
東野産婦人科院長
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