コロナ禍のバリ島と不動産市況
近年まで、このように非常に好景気に沸いていたバリ島ですが、2020年の新型コロナウイルス騒動の影響は甚大で、残念ながらしばらくは後退を余儀なくされるでしょう。
■バリ島の新型コロナ感染の状況
東南アジアの中でもインドネシアは、残念ながら新型コロナウイルスの感染者が突出して多い国の一つです。
2020年の年末、インドネシア全体の感染者数が70万人を超え、20万人強の日本のおよそ3.5倍。1日当たりの新規感染者数に関しては、8,000人前後で推移しています。
その中でバリ島に関しても、累計の感染者数が20,000人前後と決して少ない数字という訳ではありません。最近は1日当たりの増加数は30人~50人程度で推移しています。バリ島の市長は、バリ島での感染は市中(ローカル市場など)で拡大している傾向があることから、常に清潔な生活行動を続けてほしいと市民に呼び掛けています。
■コロナ禍におけるバリ島の観光の状況
そのような状況から、外国人に対しては、観光や出張等を目的としたインドネシア全土(バリ島を含む)への渡航は現時点では認められておりません。ただし、2020年7月31日より国内旅行は再開されました。クタやウブドの繁華街では、ジャカルタからの旅行者らしい中華系インドネシア人の姿をよく見るようになりました。
それまですべてシャッターが閉まっていた商店街ですが、2020年1月末現在、筆者の感覚的には約半数の店舗が営業を再開している状況です。飲食店ではデリバリーを行ったり、大型ホテルを中心にディスカウントレートでの宿泊料金を提示したりなど、まずは国内観光客向けへのアプローチを展開しているのが現状です。
■バリ島、不動産市況の状況は?
一方で、バリ島の不動産に関しては現状、まだ目に見えるほどの変化が訪れているわけではありません。
これは「買うなら今だ」という想いの購入希望者がいる一方で、「逆に今は売り時ではない」というオーナーが少なくないというのが大きな理由です。稀に売り手が切羽詰まって売り出した場合でも、当初の価格の2割ほどの値引きで売れたという程度です。
新型ウイルスワクチンが到着…観光復活は間近か?
中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が開発した新型コロナウイルスのワクチンが12月6日、インドネシアに到着したというニュースは、インドネシア国内はもちろん、日本のメディアでも紹介されました。ワクチンの臨床試験の第3段階が始まっているところで、2021年の早い時期には接種が始まることが期待されています。
高温多湿な環境の中で律義に自粛要請に応じているのは、国による強い規制の影響に他なりません。バリ島では車を乗るときでもマスク着用が義務付けられており、違反者には罰則が科されます。近い将来、新型コロナウイルスが終息し人々に笑顔と活気が戻ることを願ってやみません。