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「お客様のところに行って聞いてこい」
何度も聞いた「一倉にそんなことがわかるか!」の怒声
新商品や新事業の相談でカミナリが落ちることは日常茶飯事である。試作品や完成した品物を持ち込み、一倉先生の意見を聞こうとする社長の心情は「なかなかいいね」や「こうしたら売れるよ」を聞きたいのがホンネであり、あわよくば販売先を紹介していただけないか、とまで思っている。
それを見透かしたかのように先生は、「一倉はあんたのお客じゃない。そんなことがわかるか!」と一喝。続けて、「お客様のところに行って聞いてこい」と怒鳴られる。
ところが、ベテラン社長には、これがなかなかできない。過去にヒット商品をいくつも出していればなおさらできなくなるのである。
自信も実績もあるから、俺の目に狂いはないと思い込み、自分の好みをお客様に押し付けようとする。売れなければ、「営業は何をやってるんだ!」と社内に発破をかける。営業マンや店頭の担当者は売れない理由やお客様の反応を直接、見聞きするから何となく理由はわかっているが、なかなか社長に本当のことを言えるものではない。
全ては「お客様がほしいか?買ったか?」どうかだ
お客様にとっては社長が作ろうが、有名デザイナーが手掛けようが関係ない。良いと思えば買うし、嫌なら買わないだけである。
確かにヒット商品の第2弾や、有名企業、老舗の新商品は期待を込めて1回は買ってみる。食べたり、試したりして良ければ再購入につながり、売上も伸び定番商品に育っていくのである。しかし、期待ほどでなければ初期出荷の後のリピートオーダーが入らなくなってくる。自信を持って市場投入しただけに、社内では広告宣伝が足りない、営業が足りない、やる気がない、口コミを仕掛けられないか?などさまざまな意見が飛び交っていく。
昨今ではインスタ映え、ユーチューブなどで紹介され一気に火をつけても、お客様に本当に支持されなければブームは長続きせず類似品や代替商品も市場に一気に溢れるから、余計に寿命が短くなってくる。最後には、「あれが悪い、これが悪い」の犯人探しが一巡し、「いい商品をわからないお客が悪い」の発言まで飛び出してくるのである。