豪州中銀は政策金利引き下げ
量的緩和(QE)拡大を決定
■豪州準備銀行(RBA)は、11月3日に開催した金融政策決定会合で、政策金利のキャッシュレート及び3年国債の利回り目標を市場予想通り0.25%から0.10%へ引き下げました。足元にかけては議事要旨やロウRBA総裁らの発言内容から、追加緩和に対する期待感がより高まっている状況でした。
■また、不定期に実施していた量的緩和(QE)について、今後6カ月間にかけて5-10年国債を1,000億豪ドル買い入れる追加QEを決定しました。
■声明では「少なくとも3年は政策金利の引き上げを予想していない」旨が示され、「必要ならさらなる対応の用意がある」とし、今後の追加緩和の余地も残しました。
消費者物価指数(CPI)
7-9月期もRBA目標値に届かず
■7-9月期消費者物価指数(CPI)は前期比+1.6%と4-6月期の同▲1.9%から上昇に転じました。また、RBAが参照しているとされる刈込平均値(CPI上昇率の上位品目と下位品目を除き計算した値)も同+0.4%と4-6月期の▲0.1%からプラス圏に戻りました。
■しかし、前年比(刈込平均値)では+1.2%と4-6月期とほぼ同程度の伸びにとどまっており、依然RBAの目標値(2~3%)を下回っています。
豪ドルは再び上昇へ
■7-9月期CPIは伸び悩む結果だったものの、豪州では一部州における新型コロナ感染にかかわる経済活動制限の緩和など、上向きの兆しも見え始めています。さらに、今回RBAが大規模な追加緩和を決定したことで、一層の緩和期待は一旦後退している状況と見られます。今後、大統領選挙などを背景とした米国金融市場の動きや、豪州と中国との通商関係など不透明要因には引き続き注意が必要ですが、基調的には豪ドルは再び上昇に転じていくと予想されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪ドルは再び上昇へ(2020年11月)』を参照)。
(2020年11月4日)
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