振幅はあるものの堅調に推移
外部要因が下支え
■日本株式市場は、春先の急落を経た回復の後、足踏み状態で推移していますが、国内のコロナ感染が比較的落ち着いているため、総じて底堅く推移しています。
底が見え始めた利益予想
新たな回復トレンド入りの予感
■日本は景気・企業業績の回復が、諸外国より遅れ気味でした。米国の企業業績は4-6月期にボトムを付け、株価上昇にも弾みがついていましたが、日本も利益予想の見通しにようやく明るさが見え始めました。2010年以降では東証株価指数(TOPIX)の1株当たり予想利益(EPS)は一旦反転すると持続することが多く、株価にもプラスの影響があることがうかがえます。
値固め後、堅調な推移へ
■足元では、米大統領選後と新型コロナの世界的な感染再拡大が懸念されます。米大統領選後は、期待外れのタイミングにはなりますが、いずれ追加の財政政策が発動される見通しです。新型コロナ感染拡大については、米国で11、12月にもワクチンが承認される見通しで、状況悪化が反転すると期待できる時期が近づいています。楽観は慎みながらも、極端に悲観する必要はないと思われます。
■今後は、グローバル景気の回復が腰折れしなければ、日本の企業業績のさらなる改善も可能と考えられます。業績予想の上振れ・下振れを示すリビジョン・インデックスは、グローバル製造業購買担当者景気指数(PMI)と連動しながら、大きく改善傾向を示しています。日本株式市場を巡る環境は次第に明るさを増すと、期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本株式市場~値固めの後、堅調な推移へ』を参照)。
(2020年10月30日)
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