第3位は「狛江市」で17.08%。小田急線小田原線沿いの市で、世田谷区に隣接しています。前年比0.7%減とほぼ横ばい。東京のなかでも面積の小さな市で、市内には私立中学校もありません。駅前には小学生向けの塾もみられますが補習塾が中心で、中学受験を見据えて進学塾に通うには電車などの利用が必須になります。しかし隣接するのは「成城学園前」。その延長で、高所得のファミリー層も多く居住し、教育熱の高いエリアです。
第2位は「調布市」で17.3%。京王電鉄京王線沿いの市で、前年比2.1%減となりました。市内には「明治大学付属明治中学校」など4つの私立中学校があるほか、「白百合女子大学」や「桐朋学園大学」などの有名大学をはじめ、教育・研究機関が多く点在します。大手進学塾が「調布」か「仙川」の駅周辺にあり、中学受験には望みやすい環境が揃っています。
第1位は「武蔵野市」で28.02%。JR中央線沿い「吉祥寺」を中心とした市で、杉並区などに隣接しています。市内にある私立中学校は、大学まで揃っている「成蹊中学校」など4校。人気の街ランキング上位常連の「吉祥寺」には3つの大手進学塾が揃い、通塾の負担も少なく、東京市部では特に受験環境が揃ったエリアだといえるでしょう。
「親の年収=進学率」、さらに地理的要因も
東京市部に限定してみていくと、「武蔵野市」が突出し、市部で唯一、東京都平均、さらには3区の平均値も上回りました。23区を含めても第12位に位置する高水準を誇ります。
また最も進学率の高い「武蔵野市」28.02%と、最も進学率の低い「武蔵村山市」4.25%の間には6倍以上の差があり、東京市部と一括りにして語るのであれば、6倍以上の差が存在しています。傾向として、東京区部に近いほうが進学率が高く、東高西低の傾向。また路線としては中央線沿いにある市のほうが、進学率は高めです。
進学率は親の所得に左右されるといわれていますが、26市のなかで平均年収が最も高いのは「武蔵野市」で532万円。「三鷹市」451万円、「国分寺市」444万円、「国立市」441万円、「小金井市」430万円と続きます。そして進学率と平均年収のランキングの相関係数は「0.98」と、非常に強い相関関係にあることがわかります(図表2)。
【関連記事】
税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
恐ろしい…銀行が「100万円を定期預金しませんか」と言うワケ
親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】