インド株は堅調推移
SENSEXは8ヵ月ぶりの高水準
■インド株式市場は、10月に入り、上値余地を試す堅調な展開となっています。代表的な株価指数のSENSEX指数は、10営業日連騰となるなど大幅に上昇し、約8ヵ月ぶりに節目の40,000ポイントを回復しました。米株式市場が反発したことや、インド財閥大手のリライアンス・インダストリーズの小売子会社、リライアンス・リテールに向けた、シンガポール政府投資公社や米ファンドからの出資などが好感されました。足元のSENSEX指数は、過去最高値に迫る水準まで上昇しています。
上昇に転じたEPS
海外からの投資相次ぐ
■SENSEX指数の予想一株当たり利益(EPS)をみると、EPSが上昇に転じていることが株価上昇を後押ししていると考えられます。コロナ禍においても、IT大手のインフォシスは予想を上回る好決算を発表し、今年度の見通しを上方修正しました。
■また、株式上昇の背景には、長期的な経済成長期待に伴う海外からの資金流入があるとみられます。特に7月以降は米IT大手などからリライアンスをはじめとするインド企業への投資が相次ぐなど、海外マネーの流入が加速し、SENSEX指数を押し上げたとみられます。
インド株式市場は新規感染減少や業績改善がサポート
■インドの新型コロナ感染者は累計700万人を超え、感染拡大が続いていますが、1日当たりの新規感染者は、9月上旬と比べれば大幅に鈍化しています。こうした中、政府が経済活動の再開を優先していることや、予想利益が改善していることから、海外からの投資資金の流入は続くとみられ、インド株式市場は底堅い展開が見込まれます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『高値に迫るインド株、新型コロナの新規感染が減少に転じる』を参照)。
(2020年10月23日)
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