
2020年7~9月のM&A(適時開示ベース)は199件と、前年同時期より件数が10件減ったにもかかわらず、取引額は前年同期の3倍にあたる8兆2140億円と、四半期ベースで過去最高に達した。今回は、株式会社ストライク執行役員広報部長の日高広太郎氏が、7~9月M&A取引額好調の理由や、今後の見通しなどを解説する。
コロナ禍、取引額は昨年同期の3倍に…

みずほ総合研究所調査本部の宮島貴之主任エコノミストは、7~9月のM&A動向について「コロナ禍で企業収益が悪化し、M&A投資の選別が進んでいる」と指摘。「経営基盤の強化に向けて必要なM&Aは高額でも実施するが、そのほかの買収案件は慎重に見極める企業が増えている」と解説する。
上場企業に義務づけられた適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&A(グループ内再編は除く)について、M&A仲介のストライク(M&A Online)が集計した。
コロナ禍で企業収益が急減、「選別投資」強まる
みずほ総研によると、日本と米国の2020年1~3月期の企業収益は前年同期比でそれぞれ16%、12%減少した。4~6月期も日本の企業収益が約30%、米国が10%減った。新型コロナウイルスの世界的な大流行という、巨大な悪材料が立ちはだかるなか、「企業は新規の投資を一段と厳しく査定するようになっており、M&Aの件数自体には一服感が出てきている」(宮島氏)という。
一方、7~9月の取引金額は四半期ベースで過去最高に達した。8月から9月にかけて1兆円を超える巨額M&Aの発表が3件連続したためだ。四半期ベースの金額は、買収額が6兆円以上に達した武田薬品工業によるアイルランド製薬大手シャイアーの案件があった2018年4~6月(7兆6576億円)を抜き、歴代トップに立った。
背景には大手企業が、景気回復が本格化する「アフターコロナ」を見据えていることがありそうだ。リーマンショックやコロナ禍など急速な景気後退の後には、経営基盤がぜい弱な企業が淘汰され、それぞれの業界で寡占化が進む傾向がある。
景気浮揚に向けて日米欧などの中央銀行は大規模な金融緩和を続けており、買い手企業にとっては資金調達がしやすい環境だ。企業規模を拡大し、シェアを高めるには絶好のチャンスでもあるため、「大規模な買収を今後も続ける」(大手物流企業の幹部)という大手企業も多い。宮島氏は「高い技術力を持つ他社の買収は、自社開発するよりも迅速に生産性を向上させられるため、今後も大規模なM&Aは増えていくだろう」とみる。
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