2020年9月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社マーケット情報。専門家が明快に分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報を転載したものです。

9月の投資環境

9月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。

 

世界の株式市場は、月初、上昇して始まったものの、その後はこれまで株式市場を牽引してきたハイテク株を中 心に大きく反落しました。中旬から下旬にかけても、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展や米国の低金利継続への期待などがプラス要因となり上昇する場面もありましたが、欧州などでの新型コロナウイルスの感染再拡大による景気への懸念や米国の追加経済対策の成立が遅れるとの見方などが影響し下落基調となりました。月末にかけては買い戻しの動きなどから反発しましたが、 月間では下落となりました。

 

業種別では、素材、資本財・サービスが小幅ながら上昇、公益は小幅な下落にとどまりました。一方、エネルギー、金融、コミュニケーション・サービスは下落率が大きくなりました。

 

こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価は株式市場が下落するなか、小幅に上昇しました。環境マネジメント・サービス・セクターが最も堅調で、装置製造・エンジニアリング・セクターがそれに続きました。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年9月末~2020年9月末 ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォー ター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース) 出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年9月末~2020年9月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

装置製造・エンジニアリングセクターでは、ダナハーに関して、同社が優位性を有するコロナウイルス関連のワクチンや治療薬の開発関連製品に対する当面の需要見通しが株価を支えました。また、トロに関しては、ゴルフ場や造園など向けの事業が好調であることが好感され、株価が上昇しました。一方でローパーテクノロジーズに関しては、米国の損害保険業界向けソフトウェアを提供する企業を買収したことを背景に負債削減以外に資金が回らなくなることが警戒され、8月から利益確定の動きが継続した結果、株価が調整しました。

 

月次、期間:2010年9月末~2020年9月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年9月末~2020年9月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

上下水道ビジネスセクターでは、スエズは引き続き、同業他社から買収意向が示され株価が上昇しました。一方で、スエズの買収意向を示したヴェオリア・エンバイロメントは買収に対する不確実性等を背景に株価が下落し ました。また、エッセンシャル・ユーティリティーズは上下水道関連企業の買収に対する懸念が嫌気され株価が下落しました。

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを 示すなどビジネス・センチメントに影響しています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連株式は引き続き魅力的 な投資対象であると考えます。

 

 

※MSCI指数は、MSCIが開発した指数です。同指数に対する著作権、知的所有権その他一切の権利はMSCIに帰属します。またMSCIは、同指数の内容を変更する権利および公表を停止する権利を有しています。

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(2020年10月12日)

 

 

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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