一時、人気を集めた太陽光発電投資ですが、買取価格の低下などで「うま味がなくなった」といわれてきました。一方、安定的な収益が見込める投資として、一般の会社員からの関心は高まっています。しかし実際に太陽光発電投資を始めたら気になるのが、税金などのお金まわりのこと。そこで、自身も太陽光発電のオーナーであるトランス税理士法人代表税理士の中山慎吾氏が、太陽光発電投資にまつわる税金について解説していきます。
太陽光発電投資…「出口戦略」を考える
購入した太陽光発電所の土地権利が所有権か借地権かで出口戦略は変わります。
土地権利が借地権の場合は、購入時に太陽光システムを廃棄して更地にして地主に返還するか、そのままの状態で地主に返還するか確認が必要です。前者の場合は撤去費用等を売電収入から積立ておく必要があります。
土地権利が所有権の場合は、次の3通りが考えられます。
①太陽光システムを撤去し土地として売却する
②パワコンなどを交換して運営を続ける
③中古発電所として売却する
太陽光発電所を建設する場所は、元々安い土地でないと事業自体が成り立ちません。したがって①の土地だけを売却できる可能性は低いと思います。
現実的なのは②と③になりますが、②の場合はパワコンなどを交換しても費用対効果が見込めれば続ける意味はあるでしょう。
③の中古発電所として売却する場合は、あえてFIT終了後(21年目)の実績を作ったうえで売りに出す方が良いと思います。売電単価や収入などの実績が見えてくるので、買う側としても安心感があり手が出しやすいでしょう。
トランス税理士法人
代表税理士
1978年生まれ、神奈川県横浜市出身。明治大学大学院グローバルビジネス専門科修了、MBA取得。大学卒業後、日興證券株式会社(現SMBC日興証券株式会社)に入社、日本橋支店にて資産運用コンサルティング課に従事。
その後、「お客様の資産形成を長期的にサポートするには、証券運用だけでなく、複合的なファイナンシャルプランニングを実践する業態を作り出す必要がある」という思いから2007年に個人向け資産運用コンサルティング会社を共同で創業。CFP(R)の資格を活かし、お客様の資産運用のアドバイザーとして現場に立ちながら、ベンチャー企業の共同創業者として会社の事業規模を拡大。現在は税理士として個人向けの税務を中心に顧客の資産形成をサポートしている。
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