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バイオ医薬品関連企業の株価動向
6月のナスダック・バイオテック指数(ドルベース、配当含まず)は上昇しました。6月のバイオ医薬品セクターは、前月に続いて堅調な展開となりました。経済のV字型回復期待を背景に株式市場全体が上昇基調となり、四半期末の株価指数ウェイト調整(リバランス)の結果、当セクターの組入れ比率は過去最高水準に迫りました。小型株が中・大型株を上回って推移し、株式新規公開(IPO)や流通市場での公募増資が極めて速いペースで行われました。一方、11月の米国大統領選については、共和党に対して民主党の優勢が増し始める状況が、株式市場全体、とりわけ、医療保険政策にどのような意味をもつのかを巡って、神経質な動きが散見され始めています。
株価が上昇した銘柄としては、バイオマリン・ファーマシューティカル(米国)、ネオロイキン・セラピューティクス(米国)、イノビア・ファーマシューティカルズ(米国)などが挙げられます。バイオマリン・ファーマシューティカルは、血友病A遺伝子治療の治験4年目の良好なデータの開示が好感されました。ネオロイキン・セラピューティクス(米国)は、治験に先立って行った抗がん剤のプレゼンテーションが好感され、株価の上昇基調が続きました。患者を対象とした治験の結果は、今年末の発表が予定されています。
イノビオ・ファーマシューティカルズは、新型コロナウイルス・ワクチンの開発を期待する個人投資家の買いが続きました。ピクテでは、ワクチン関連銘柄の多くについて、治療面でも営利面でも効果が確信できず、投資は難しいとの見方を変えていません。
株価が下落した銘柄としては、バイオジェン(米国)、アレクション・ファーマシューティカルズ(米国)、グローバル・ブラッド・セラピューティクス(米国)などが挙げられます。バイオジェンは、多発性硬化症治療薬テクフィデラが特許無効の判決を受けました。また、アルツハイマー症治療薬候補の米国食品医薬品局(FDA)への申請日程が疑問視されています。アレクション・ファーマシューティカルズとグローバル・ブラッド・セラピューティクスは目立った材料がない中、市場全体に出遅れました。