新型コロナの流行下でも、ニュージーランド不動産の「売買」は盛んです。しかし、観光客や留学生が減少した影響により大都市の物件には「空室」が目立ちます。2020年のニュージーランド不動産投資は厳しい見込みです。とはいえ、逆境ならではのチャンスもあります。それは一体、なんでしょうか? 本記事で紹介していきましょう。 ※本記事は、オークランド在住で不動産会社を経営する著者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

新規感染者が発生、渡航制限も持続…予断許さない状況

ニュージーランドでは、新型コロナウイルスの警戒レベルを1と下げてから4週間が過ぎ、ほぼ通常の生活に戻っています。しかし、新規感染者数ゼロを維持してきたニュージーランドですが、6月16日、海外から帰国した人々のなかに感染者が発生し、現在は2名、4名…と少しずつ増加している状況です。

 

その一方、ラグビーシーズンに入り、ようやくゲームが開催されました。観戦するために各地からグランドへ出向く人々や、自宅やパブでテレビ観戦する人々など、国民全体で盛り上がりました。通常の生活が戻ったと実感する一幕でした。

 

ラグビーに熱狂する国民
ラグビーに熱狂するニュージーランドの国民

 

アーダーン首相は、海外からのフライトについて「安全性が確保できない限り開かない」と発表しています。

 

6月25日より日本への週1便が開港したものの、主な乗客は、転勤・異動で帰国する日系企業勤めの人や、留学から帰国してきた日本人です。日本への入国は、日本国民及び日本永住権保持者のみとなっており、2週間の隔離もあるため、観光客及び留学生の自由な行き来はまだ先になることを示しています。

6月の不動産販売価格は各地で小刻みにダウン

ニュージーランドは陸の孤島的になりつつあるものの、独自の力で社会形成を維持しています。

 

不動産売買の取引は国内中で盛んに行われ、決して低迷していないことが実感できます。5月の販売価格は、平均で約10%上昇しました。しかし、6月の実績だと、オークランドは0.4%ダウン、ワイカト地方は2%ダウン、クライストチャーチのあるカンタベリーでは3.1%ダウンし、各地で小刻みにマイナスの数字が出る結果となりました。ただしオークランドは0.4%ですので、ほぼ横ばいでしょうか。

 

日々開催するオープンホームには、多くの人々が訪れます。ニュージーランドはいま冬で、比較的数字が低くなる季節ではありますが、7月、8月の数字に注目していきたいと思います。

 

都市部のアパートをお手頃価格で所有するチャンス

以前の記事『室温は最低18度に…NZの「健康的な住宅整備」にまつわる法律』で、賃貸物件の運営において、ヘルシーホームの規定が厳しくなり、断熱材・暖房・スモークアラームの設置が義務化されたことをお話しました。しかし、コロナ禍の影響でサービス提供ができない面があり、雇用の課題も抱えています。また、2020年9月までは家賃の値上げをしてはいけないことになりました。小さな都市では、専門家が特に忙しく、7月1日までの対処がむずかしいため、ヘルシーホームの規定の遂行日を12月1日に延長することが決定しました。

 

家主である投資家の皆様にとっては頭の痛い出費ですが、家を整えて快適な暮らしを提供することは入居者の長期滞在につながり、スムーズな賃貸運営を継続させることができます。

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