「相続税の税務調査」に 選ばれる人 選ばれない人
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新興国は先進国に比べ相対的に経済成長率が高いということが魅力のひとつですが、そもそも「経済が成長する」ということはどのようなことなのでしょうか。
経済が成長するとは?
まず、国全体の経済について考えるうえで欠かせない概念として国内総生産(GDP)があります。GDPは1年間に一国内で生産されたモノ(最終財)とサービスの付加価値を合計したものです。
GDPは1年間に一国内で生産されたモノ(最終財)とサービスの付加価値の合計であり、言い換えると利益の合計です。なお、GDPは「国内」経済を表す指標のため、日本企業が海外支店等で生産したモノやサービスの付加価値は含みません。また、付加価値の合計額であるGDPの額は経済の規模を表すことになりますので、経済規模が大きい、ということは、GDPの額が大きい、ということになります。
ではよく耳にする「経済が成長する」、とは、どのようなことなのでしょうか。「経済が成長する」というのは「経済規模が拡大する」ということであり、つまりは経済規模を表す「GDPの額が増える」、「GDPが増加する」、ということです。よって経済成長率とはGDP増加率(成長率)のことであり、GDPが何%増えるか、ということになります。例えば、GDPが5%増えた、ということは、経済規模が5%大きくなった、経済が5%成長した、ということになります(図表1)。
なお、GDPをその国の人口で割ると、1人当りGDPを計算できます。したがって、GDPは「1人当りGDP×人口」と表すことができます(図表2)。1人当りGDPは、1年間に国民1人当りいくらの付加価値を生み出したかを表します。これにより、経済がどのくらい効率的か、生産効率がどのくらい高いか、を示し、間接的には国民一人一人がどのくらい豊かか、といったことがわかります。
GDPが変化する3つの要因
GDPが変化する要因には①人口増減、②1人当りGDP(経済効率)の増減、③物価の上下、の3つがあります。まず①人口について、国民1人当たりの利益(1人当たりGDP)が変わらなくても、その国の人口が2倍になれば、国全体のGDPは2倍に増えます。このように、人口が増えれば、1人当たりの利益や、各人の豊かさは変わらなくても、国全体のGDPは増えます。同じように、人口が減れば、1人当たりの利益や、各人の豊かさは変わらなくても、国全体のGDPは減ることになります。
次に②1人当りGDP(経済効率)について、経済の効率が上がり、経済活動が活発になることで1人当たりのGDPが増えれば、人口が増えなくても国全体のGDPは増えます。また、各人の豊かさも増し、各人がより多くの富を手にし、より多くのものを買えるようになります。
最後に③物価についてみていきます。物価もGDPに影響を与えます。例えばある国でインフレ政策により突然あらゆるモノの値段が一斉に2倍になったとすると、全員の売り上げと、原価とその他のコスト、そして利益が全て2倍になりますので、GDPも2倍になります。
ただし、インフレによりあらゆるモノの値段が2倍になると、確かにGDPは2倍になりますが、稼いだお金で買えるモノの値段も同時に2倍になっています。そのため、本当に「経済が成長した」「国が豊かになった」とはいえません。「実質的にどれくらい豊かになったのか」を知るには単なる名目上のGDPの増加率だけを見るのではなく、そこから物価の上昇率を差し引くことで初めて、物価のかさ上げ効果を取り除いて実質的な経済成長を測ることができます。
新興国の経済成長の原動力
「経済が成長する」ということはGDPが実質的に(インフレ率を差し引いて)増えることです。GDPは1年間に国内で生み出された利益の合計額のことであり、このGDPが増えるということは、利益を生み出す主体である企業の生み出す付加価値が増えることに他なりません。
またGDPは「1人当りGDP×人口」と表すことができますが、「1人当りGDPが少ない」ということは、「成長余地が大きい」ということです。1人3万円しか稼げない国が30万円稼げるようになるとGDPは10倍になります。既に1人当り500万円稼いでいる国が10倍の1人5,000万円を稼ぐようになることよりは遥かに現実的です。
そして、「人口が減少する」、ということは、1人当りGDPが増えなければ「GDPは減少」し、マイナス成長になります。「人口が少ない」、ということは、「経済大国」にはなれません。米国の1割以下の人口のオーストラリアは米国人の10倍以上稼いでやっとGDPで米国に並ぶのです。
新興国の経済成長率が高いのは、人口が増え続けていることに加え、もともと1人当りGDPが低いためにインフラ投資などによる経済効率向上効果が非常に高く、更に人口増加が経済効率向上にもプラス効果をもたらすことが理由として考えられます(図表4)。
一方、国は3ヵ月で急激に成長したりはしません。成長に期待して投資するならば10年、15年、20年といった中長期的な観点が必要です。
当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新興国投資編(3)そもそもGDPとは?』を参照)。
(2020年6月4日)
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