新興国投資編(4)なぜ新興国の経済成長率は高いのか?何が期待できるのか?

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

 

新興国は先進国に比べ相対的に経済成長率が高い傾向にあるのはなぜでしょうか。また高い経済成長を背景に何が期待できるのでしょうか。

相対的に高い経済成長

まず先進国と新興国の経済成長率を比較すると、近年では新興国は先進国に比べ相対的に高い成長が続いています(図表1)。ただし、リーマンショック後の2009年の先進国のように、国の成長はマイナスの成長も起こり得ます。

 

また前回の記事『そもそもGDPとは?』でご説明したように、「経済が成長する」ということはGDPが実質的に(インフレ率を差し引いて)増えることです。GDPは国内総生産のことで、1年間に国内で生み出された付加価値額の合計です。付加価値というのは平たくいえば利益のことです。

 

つまり、GDPは1年間に国内で生み出された利益の合計額のことであり、このGDPが増えるということは、利益を生み出す主体である企業の生み出す付加価値が増えることに他なりません。

 

(年次、期間:1980年~2024年) ※2018年以降はIMFによる予測値 出所:IMF World Economic Outlook Database, October 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]実質経済成長率の推移 (年次、期間:1980年~2024年)
※2018年以降はIMFによる予測値
出所:IMF World Economic Outlook Database, October 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

高成長の背景

GDPは【1人当りGDP×人口】と表すことができます。新興国の経済成長率が高いのは、人口が増え続けていることに加え、1人当りGDPが低いためにインフラ投資などによる経済効率向上効果が非常に高く、さらに人口増加が経済効率向上にもプラス効果をもたらすことが理由として考えられます。

 

世界の人口は増加を続けていますが、その大部分を新興国が牽引しています(図表2)。新興国の豊富な労働人口は、付加価値を生み出す労働力としてだけでなく、消費の担い手としても経済成長の原動力になると考えられます(図表3)。

 

(年次、期間:1990年~2020年、2020年は予想)  ※新興国・先進国の分類および予想は国連による。 出所:国連World Population Prospects 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]新興国と先進国の人口推移 (年次、期間:1990年~2020年、2020年は予想)
※新興国・先進国の分類および予想は国連による。
出所:国連World Population Prospects 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成


 

(2020年予想) ※新興国・先進国の分類および予想は国連による。 出所:国連World Population Prospects 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表3]新興国と先進国の労働人口(15歳~64歳)の比較 (2020年予想)
※新興国・先進国の分類および予想は国連による。
出所:国連World Population Prospects 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

高成長から期待できること

新興国の経済成長の軌跡を振り返ると、新興国の大きな経済成長は短期的に達成されたものではなく、10年単位の時間をかけて達成されたものであることも確認できます(図表4)。国の大きな成長や発展は数ヵ月や数年で達成されるものではありません。

 

企業は毎年企業努力を重ね、利益を伸ばしていこうとします。たとえば毎年前年比で5%ずつ利益が伸びていく場合、数ヵ月の間にはほとんど利益は伸びず、1年経過してもわずか5%の伸びですが、40年では7倍となります。

 

中長期に株式投資を行った場合、こうした利益成長が大きく積み上がっていくことが期待できます。また、利益の一部が還元される毎年の配当金が積み上がっていくだけでなく、利益の伸びによって配当金額も伸びていくことが期待できます。

 

実際に新興国株式のリターンの推移を見ると、途中、97年のアジア通貨危機や00年のITバブル崩壊、08年のリーマンショックなど様々な金融危機を経験しながらも、長期では大きく上昇しています。また、価格指数(赤線)と配当込み指数(青線)の差を見ていただくと、インカムゲインの寄与が非常に大きいことが分かります(図表5)。

 

経済や金融市場のみならず、政治や社会体制が不安定な国も多く、先進国と比べて大きなカントリーリスクや流動性リスクなどが伴います。また、価格変動リスクも先進国投資と比べて大きくなります。一方で、リスクと引き換えに、先進国では期待できないような大きなリターンが期待できるというのが新興国投資の魅力の1つといえるのではないでしょうか。

 

(期間:1980年~2024年) ※2018年以降はIMFによる予測値  出所:IMF World Economic Outlook Database, October 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表4]中国・インドの名目GDP推移 (期間:1980年~2024年)
※2018年以降はIMFによる予測値
出所:IMF World Economic Outlook Database, October 2019のデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

 

(年次、期間:1996年末~2019年末) ※1996年12月末を100として指数化。米ドルベース。新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数。 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表5]新興国株式のリターンの推移 (年次、期間:1996年末~2019年末)
※1996年12月末を100として指数化。米ドルベース。新興国株式:MSCIエマージング・マーケット指数。
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成


 

※データは過去の実績であり、将来の運用成果等を示唆あるいは保証するものではありません。

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新興国投資編(4)なぜ新興国の経済成長率は高いのか?何が期待できるのか?』を参照)。

 

(2020年6月18日)

 

 

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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