「遺言書はお金持ちが書くもの」という認識はもはや時代遅れです。遺言書のない相続は「もめて当然」といっても過言ではありません。何より、相続争いは富裕層ではない家庭でこそ起きがちなのです。※本記事は、税理士法人・社会保険労務士法人タックス・アイズ代表 五十嵐明彦氏の著書『子どもに迷惑かけたくなければ相続の準備は自分でしなさい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部を抜粋し、被相続人である親自身が取り組むべき相続対策を解説します。

 

遺言書で財産をすべて洗い出し、だれに何を相続させたいかをあなた自身が指定すれば、みなさんにとっても財産を、希望通り引き継がせることができますし、この遺言書を書けば、法定相続人以外にも財産を遺すことができます(遺言書がなければ、法定相続人しか財産を相続することができません)。

 

たとえば、基本的にはお子さんの配偶者は法定相続人にはなれませんが、「自分の面倒をよく看てくれた長男の妻には、少しでも財産を遺したい」と思うなら、その旨を遺言書に書けば、法定相続人ではない長男の妻にも、財産を遺すことができます。

 

そういえば、「犬に財産を相続させたいのですが、遺言書を書けば可能でしょうか?」という質問を受けたことがあります。

 

ペットを家族同然に思っている方も多く、個人的にはペットに財産を相続させることができても不思議ではない気もしますし、海外ではペットに財産を相続させる方法もあるようですが、残念ながら日本の法律上、相続ができるのは「人」だけで、ペットに財産を相続させることはできません。ペットに財産を相続させたいと真剣に考えるなら、自分がいなくなったあとにペットの世話をしてくれる人に財産を相続させる、もしくはペットの世話をしてくれることを条件に財産を遺すというのが代案でしょうか。

 

もしもペットの世話をしてくれる人が法定相続人でないなら、遺言書でその人に財産を遺す、あるいは世話をしてくれるのが法定相続人なら、ペットの世話分の金額をプラスして相続させることを記載すれば、希望がかなうかもしれませんね。

「遺言書はお金持ちが書くもの」という時代錯誤

「遺言書を書くなんて一部の大金持ちの話。自分とは関係ない」こんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。

 

確かに「預金」に「株式」に「不動産」…と、相続させる財産がたくさんある場合には、だれにどの財産を相続させるかを考えている人は多いでしょう。

 

その一方で、「残っている財産は預金が1,000万円だけ。いまは年金で細々と生活している」という方は、相続についてそれほど考えていないかもしれませんね。

 

しかしながら、相続で子どもたちがもめるかどうかは、みなさんの財産の多寡とはまったく関係ありません。相続する財産が多くても少なくても、相続争い、いわゆる「争族」は発生するのです。

次ページ骨肉の争いは「一般家庭」でこそ起きている事実
子どもに迷惑かけたくなければ相続の準備は自分でしなさい

子どもに迷惑かけたくなければ相続の準備は自分でしなさい

五十嵐 明彦

ディスカヴァー・トゥエンティワン

2019年法改正完全対応! 「親が読む」相続の実用書。 これまで相続税に縁がなかったかもしれないみなさんにも、相続税対策が必要になる時代がやってきました。 「相続なんてお金持ちの話」「まだまだ先の話だし、自分が…

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