経済活動再開期待で堅調に推移
欧米株式市場の底堅さも背景
■日本株式市場は、日経平均株価が3日続伸となり、2万1,000円台を回復するなど底堅く推移しています。25日に緊急事態宣言が全面解除され、経済活動の再開に対する期待や、欧米株式市場が堅調に推移していることなどが背景です。
「情報技術」、「ヘルスケア」がけん引
「消費者サービス」も堅調
■ここまでのセクター動向をまとめました。年初来安値から足元までの戻り率を見ると、時価総額のウエイトで20.5%を占める「資本財・サービス」や12.1%を占める「情報技術」、11.6%を占める「ヘルスケア」などが中心です。
■なかでも「情報技術」のうちの「半導体・半導体製造装置」の戻り率は+40.8%に達しました。次いで戻り率が高かったのが「ヘルスケア」のうちの「バイオテクノロジー・医薬品」で+37.7%でした。また、「一般消費財・サービス」ではインターネット販売を含む「小売り」が+33.9%でした
■年初来の変化率を見ると、「ヘルスケア」のうちの「バイオテクノロジー・医薬品」が+4.8%、「一般消費財・サービス」のうちの「消費者サービス」が+5.9%と堅調です。「情報技術」のうちの「ソフトウエア」は+10.6%と大幅な上昇となりました。「ソフトウエア」はコンピュータ・インターネット用のセキュリティや情報管理用ソフトの開発などを手掛ける企業が含まれます。
当面、2極化が続こうが、重要なのは新たな付加価値の創造
■世界的に都市閉鎖の動きが緩和され、経済活動の再開に対する期待が株価を支える構図が続きそうです。市場のけん引役もウィズコロナが中心となり、市場の2極化が続く可能性が高いと考えられます。ただ、今後求められるのは、ウィズコロナ下での新たな付加価値の創造であり、出遅れたセクター・企業の巻き返しが注目されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『日本株式市場~「情報技術」、「ヘルスケア」がけん引役』を参照)。
(2020年5月28日)
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