2020年3月の水関連株式市場

投資のプロフェッショナルである機関投資家からも評判のピクテ投信投資顧問株式会社、マーケットレポート・ヘッドライン。日々のマーケット情報を専門家が分析・解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するマーケット情報・ヘッドラインを転載したものです。

3月の投資環境

3月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で下落しました。世界の株式市場は、欧州や米国で新型コロナウイルスの感染者が急増するなか、世界経済や企業業績への影響が懸念されたことに加え、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国が追加減産で合意できなかったことやサウジアラビアの増産発表などを背景に原油価格が急落したことでエネルギー株が急落し、中旬にかけて下げ幅を拡大する動きとなりました。下旬には米国で2兆ドル規模の景気刺激策が成立するなど各国政府や中央銀行による対応への期待から上昇基調となりましたが、月間では大幅な下落となりました。

 

業種別では、すべてのセクターが下落する中、エネルギー、金融、資本財サービスなどの下落率が大きくなりました。エネルギーは原油価格急落が影響し大きく下落しました。一方、ヘルスケア、生活必需品などは市場平均よりも小幅な下落にとどまりました。

 

こうしたなか、水関連企業(現地通貨ベース)の株価の下落率は市場よりも小幅にとどまりました。上下水道ビジネスセクターは事業の安定性を背景に相対的に健闘しましたが、産業向けや消費者向けともに軟調に推移したこと等を受け、装置製造・エンジニアリングセクターの下げ幅が大きくなりました。環境マネジメント・サービスセクターも同様に下げ幅が比較的大きくなりました。

 

上下水道ビジネスセクターでは、アメリカン・ステーツ・ウォーターやカリフォルニア・ウォーター・サービス・グループなどの米国の水道公益企業がパフォーマンスにプラスに貢献しました。いずれも水道料金算定の基礎となる資本コスト算定手続きが延期となった結果、現在の自己資本利益率(ROE)の水準が維持されるであろうことが好感され、株価調整を免れた格好となりました。また、増配継続を示唆したカントン・インベストメントも同様に、市場調整局面を乗り切る結果となりました。他方、スエズやヴェオリア・エンバイロメントに関しては、水道事業は堅調に推移すると見られている一方で、経済活動の停滞を受け廃棄物管理事業に対する懸念が株価の重石となり、マイナス寄与となりました。

 

装置製造・エンジニアリングセクターでは、家庭向け配管工事事業に関する懸念を受け、ファーガソンが大幅安となりました。しかし、上記事業は「必要不可欠なサービス」に指定されており、外出禁止令等の影響は限定的に留まると考えています。また、環境マネジメント・サービスセクターは、廃棄物管理事業に対する懸念を受け、米国のウェイスト・マネジメントの株価下落等がパフォーマンスの足を引っ張る結果となりました。

 

円換算ベース、月次、期間:2010年3月末~2020年3月末  ※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォー ター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)  出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表1]水関連企業の株価推移 円換算ベース、月次、期間:2010年3月末~2020年3月末
※先進国株式:MSCI世界株価指数、水関連企業:S&Pグローバル・ウォー ター指数(株価指数はすべて配当込み、ネットベース)
出所:トムソン・ロイター・データストリームのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

 

月次、期間:2010年3月末~2020年3月末 ※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成
[図表2]水関連企業の株価収益率(PER)の推移 月次、期間:2010年3月末~2020年3月末
※水関連企業:S&Pグローバル・ウォーター指数
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問株式会社作成

今後の見通し

足元では、地政学的リスクや米国の金融政策に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大などマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。

 

水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。

 

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(2020年4月30日)

 

ピクテは1805年、スイス、ジュネーブにおいて会社創設以来、一貫して資産運用サービスに従事し、運用サービスに特化したビシネスモデルを展開してまいりました。信用格付ではフィッチ・レーティングスからAA-の格付けを取得しております(2018年5月末現在)。注:上記の格付はピクテ・グループの銀行部門の債務の信用に対するもので、運用部門や運用能力に関するものではありません

1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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