■世界的な新型コロナ感染拡大は中国をはじめ米国やドイツでは鈍化してきており、これらの国々では大規模なロックダウン(都市封鎖)によって止まっていた経済活動の再開が模索されています。第2波(感染の再拡大)も懸念されるため、ワクチンが開発され新型コロナ終息が見通せるまでは、感染拡大のコントロールと行動制限の緩和の微妙な舵取りが必要です。英豪や新興国各国では金融政策決定会合が予定されていますが、感染拡大の影響で景気が冷え込んでいるため、緩和的な金融政策が継続されるとみられます。
■新型コロナによる経済停滞で原油需要が大幅に減少し原油価格の下落が続いています。石油輸出国機構(OPEC)などの主要産油国は原油生産の1割という歴史的な減産を行うと発表しましたが、4月20日の原油先物価格は損失覚悟の売りなどから史上初のマイナス価格をつけました。短期的な需要回復が見込まれない中、主要産油国は一段の減産で歩み寄るとみられ、今後の協議の行方に注意が必要です。
■日本では新型コロナ感染拡大が続いており鈍化の兆しはまだみられません。外出自粛が要請されていますが、接触機会の8割削減の目標は十分には達成されておらず、5月6日が期限の緊急事態宣言は延長が取りざたされています。経済への影響も懸念され、今後の政府の対策が注目されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2020年5月の注目イベント』を参照)。
(2020年4月24日)
関連マーケットレポート
2020年4月20日 中国のGDP成長率は初のマイナス
2020年4月14日 米国株式市場~成長期待への信認は回復過程へ