4月のSENSEX指数は緩やかに上昇
■4月のインド株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)の2.3兆ドルの資金供給策などの積極的な政策対応などからリスク選好の動きが強まり、先進国の株式市場が大きく上昇するなか、下値を切り上げる展開となっています。代表的な株価指数のSENSEX指数は、3月末の29,468ポイントからじり高で推移し、17日のインド準備銀行(RBI)の追加支援策などを追い風に、20日には31,648ポイントと、約1ヵ月ぶりの高値をつけました。21日は、原油価格が急落したことを受けて再び投資家のリスク回避姿勢が強まり、急反落したものの、22日には米IT大手によるインド企業への出資案件を材料に大きく買い戻されました。
インド準備銀行が追加の金融支援策
■インド準備銀行(RBI)は17日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける経済を下支えするため、追加の金融政策パッケージを発表しました。1兆ルピーの追加支援策を決め、5千億ルピーは市場への資金注入を通じてノンバンクの救済に、残る5千億ルピーは農業向けなどの貸し出しを行う銀行に融資します。このほか、銀行の余資運用に使われる金利を引き下げ、資金の民間経済への還流を促しました。
政府の経済対策第2弾が注目される
■インド株式市場は、新型コロナウイルス対策の都市封鎖延長による経済活動の停滞や、感染者拡大への懸念から上値が重い展開が見込まれます。一方、RBIが金融緩和策を強化していることに加え、インド政府が3月に発表した第1弾の経済刺激策に続く第2弾の経済対策を準備していることへの期待が下値を支えそうです。原油安も、インド株式市場にとって中長期的にはプラス材料と考えられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『インド株式市場は緩やかな上昇(2020年4月後半)』を参照)。
(2020年4月23日)
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