1-3月期GDPは▲6.8%
初めてのマイナス成長
■中国国家統計局は17日、主要経済指標を発表しました。20年1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比▲6.8%と、市場予想を下回り、19年10-12月期の+6.0%から12.8ポイント下がり、大幅なマイナスに落ち込みました。マイナス成長は、四半期で統計を遡れる1992年以降で初めてです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、1月下旬から2月に経済活動が停止したことがマイナス成長の背景です。
生産は回復の動き
消費は新型コロナの影響で弱い
■20年1~3月の鉱工業生産は前年同期比▲8.4%と、1~2月の同▲13.5%から減少幅が縮小しました。3月単月の前年同月比をみると、▲1.1%と小幅なマイナスにとどまっており、3月に入り生産活動が再開されたことで回復の動きがみられます。
■1~3月の小売売上高は前年同期比▲19.0%と、1~2月の同▲20.5%から減少幅が小幅に縮小しました。3月単月の前年同月比は▲15.8%でした。新型コロナの影響で消費の戻りは弱いようです。
■1~3月の固定資産投資は前年同期比▲16.1%と、1~2月の同▲24.5%から減少幅が縮小しました。
中国経済は4-6月期から回復し、2020年は3%成長へ
■中国経済は1-3月期に深刻な打撃を受けたものの、中国はいち早く新型コロナの感染拡大の封じ込めに成功し、3月からは経済活動を徐々に正常化させつつあります。弊社は、中国政府が雇用確保の観点から大規模な景気対策を打ち出し、実質GDP成長率を2020年+3.6%、2021年+8.3%と予想しています。
■1-3月期の実質GDP成長率は初のマイナス成長となりましたが、17日の上海総合指数は上昇し、影響は限定的でした。株式市場では今後中国政府がどのような経済対策を打ち出すかが焦点となりそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国のGDP成長率は初のマイナス』を参照)。
(2020年4月20日)
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