19年度のSENSEX指数は23%下落
■3月のインド株式市場は、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的に株式市場のパニック的な売りが広がったことを受けて、急落しました。代表的な株価指数のSENSEX指数は、月初の38,000ポイント台から下落が続き、23日には25,981ポイントと、16年12月以来の安値をつけました。月末は29,468ポイントにやや戻して引けました。月間及び19年度の下落率は、ともに▲23%台でした。
インド政府は新型コロナ対策を総動員
■インド政府は、爆発的な感染拡大を食い止めるため、3月25日から21日間の全土封鎖に踏み切りました。外出禁止に加え、原則としてすべての事業所、商業施設を閉鎖したほか、公共交通機関も停止しました。
■全土封鎖を受け、政府は26日に総額1兆7,000億ルピー(約2.4兆円)の経済刺激策を発表しました。主に貧困層向けに、現金・米などの食料の支給を行います。
■インド準備銀行(RBI)は27日、緊急に政策会合を開き、政策金利を5.15%から4.40%に0.75%引き下げました。同時に、3.7兆ルピー(約5.3兆円)に上る資金を市場に注入する資金供給策も打ち出しました。
新型コロナ対策の効果を見極める展開
■インド株式市場は、政府が全土を封鎖したことに伴う経済への打撃が上値を抑えるものの、政府による現金、食料支給などの景気対策や、RBIによる大規模な金融緩和などが相場を支え、新型コロナ対策の効果を見極めながら、落ち着きどころを探る展開となりそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナの影響でインド株式市場は大幅安』を参照)。
(2020年4月1日)
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