新型コロナウイルスで株価下落、過去の急落時との比較​

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新型コロナウイルスの感染が世界中で拡大する中、世界経済の先行き懸念が高まっており、世界の株式市場は大きく下落しています。今回の株価下落を、過去の急落時と比較してみました。

米国株式は過去、何度か急落

新型コロナウイルスの感染拡大を受け世界経済の先行き不透明感が高まる中、世界の株式市場は大きく下落しています。

 

米国株式の代表的な指数であるS&P500は2020年2月19日の史上最高値から3月9日までの13営業日で18.9%下落しました。

 

米国株式は、何度か調整をはさみながらも、長期的には堅調に推移してきました。しかし過去を振り返ってみると、今回のような短期的な株価急落は、何度も発生しています。

 

S&P500の13営業日騰落率の推移を見ると、1987年のブラックマンデーや2008年のリーマンショックなどの際に、今回の新型コロナウイルス感染拡大を受けた株価急落に匹敵するような下落を記録しています(図表1、2参照)。

 

2000年代初頭のITバブル崩壊の際は、2001年の米国同時多発テロやエンロンの破綻、2002年のワールドコムの破綻などもあり複数回の急落を記録しました。

 

またリーマン・ショックの際には、世界的な金融システム不安と需要の後退を背景に、2008年9月から2009年3月にかけての短期間に急落を繰り返しました。

 

日次、期間:1985年1月2日~2020年3月11日、米ドルベース  ※騰落率の期間①ブラックマンデー:1987年9月30日~同10月19日、②ITバブル崩壊:2001年8月28日~同9月21日、③リーマンショック:2008年9月26日~同10月15日、④欧州債務危機:2011年7月22日~同8月10日、⑤新型コロナウイルス:2020年2月19日~同3月9日、それぞれの期間で最も13日営業日下落率の大きかったケース  出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表1]S&P500の13営業日騰落率の推移 日次、期間:1985年1月2日~2020年3月11日、米ドルベース
※騰落率の期間①ブラックマンデー:1987年9月30日~同10月19日、
       ②ITバブル崩壊:2001年8月28日~同9月21日、
       ③リーマンショック:2008年9月26日~同10月15日、
       ④欧州債務危機:2011年7月22日~同8月10日、
       ⑤新型コロナウイルス:2020年2月19日~同3月9日、
       それぞれの期間で最も13日営業日下落率の大きかったケース
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

※騰落率の期間①ブラックマンデー:1987年9月30日~同10月19日、②ITバブル崩壊:2001年8月28日~同9月21日、③リーマンショック:2008年9月26日~同10月15日、④欧州債務危機:2011年7月22日~同8月10日、⑤新型コロナウイルス:2020年2月19日~同3月9日、それぞれの期間で最も13日営業日下落率の大きかったケース 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表2]S&P500の過去の急落時の騰落率 ※騰落率の期間①ブラックマンデー:1987年9月30日~同10月19日、
       ②ITバブル崩壊:2001年8月28日~同9月21日、
       ③リーマンショック:2008年9月26日~同10月15日、
       ④欧州債務危機:2011年7月22日~同8月10日、
       ⑤新型コロナウイルス:2020年2月19日~同3月9日、
       それぞれの期間で最も13日営業日下落率の大きかったケース
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

 

 

米国株式同様に、日本株式も過去に急落を経験

一方、日経平均株価は2020年2月21日から同3月12日の13営業日で20.6%下落していますが、過去の動きを見ると日経平均株価はS&P500よりも多くの急落を経験しています(図表3参照)。

 

日次、期間:1990年1月4日~2020年3月12日 出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
[図表3]日経平均株価の13営業日騰落率の推移 日次、期間:1990年1月4日~2020年3月12日
出所:ブルームバーグのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成

トリプル・ショックに警戒

過去、株式市場は何度も、様々な理由で急落を繰り返してきましたが、金融システムへの不安や経済への影響が大きくなった際には、株価の急落が短期間に複数回にわたり発生することがあります。

 

今回の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大については、工場の生産能力の低下、サプライチェーンや交通網の遮断など供給面での影響(供給ショック)への懸念が株価の下落に繋がりました。

 

しかし今後は需要面での影響(需要ショック)や金融システム面での影響(金融ショック)に発展するリスクを考慮する必要があるかもしれません。

 

新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して個人が消費を抑制するだけでなく、企業も設備投資を控えるようになれば、コロナショックは需要ショックに広がる可能性があります。さらに、中小企業を中心に資金繰りが厳しくなれば不良債権が増加、金融機関の経営も圧迫され、資金調達環境が全般的に悪化すれば金融ショックも引き起こす可能性もあります。

 

仮に3つのショック(供給ショック、需要ショック、金融ショック)が同時に起こった場合、株価に大きな影響を与える可能性もあることから、動向を注意深く見ていく必要があると考えます。

 

※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『新型コロナウイルスで株価下落、過去の急落時との比較』を参照)。

 

(2020年3月13日)

 

 

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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