実践的基礎知識役に立つ平均編(3)<調和平均>

ピクテ投信投資顧問株式会社
実践的基礎知識役に立つ平均編(3)<調和平均>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

調査官は重加算税をかけたがる
税務調査を録音することはできるか?
5/19(日)>>>WEBセミナー

調和平均

「調和平均」は、対象となるデータの逆数の算術平均の逆数で算出でき、一定額を積み立て投資する「ドルコスト平均法」の積み立て投資効果を生み出すものを表しています。毎月一定額を投資する場合の平均買付単価は調和平均となります。また、算術平均や幾何平均とは、算術平均≧幾何平均≧調和平均という関係が成り立ちます。

調和平均とは

調和平均はどういう時に使うのでしょうか。例えば40km離れた町まで、行きは時速40kmで1時間かけて行き、帰りは時速20kmで2時間かけて帰ってきた場合、往復の平均時速は何kmでしょうか。

 

算術平均で考えると、 30km〔(40+20)÷2〕となってしまいますが、答えは30kmではありません。平均時速30kmで3時間走ると90km進んでしまいます。この時の平均時速こそが調和平均で、計算方法は以下の通りです。

 

2÷(1/40+1/20) =26.67km

 

時速26.67km×3時間=距離約80kmで平均時速26.67kmが正しい答えとなります。

金額指定の積み立て投資効果

実は、この調和平均こそが一定額を積み立て投資する場合の「ドルコスト平均法」の積立投資効果を生み出すのです。毎月一定額を投資する場合の平均買付単価は調和平均で算出することが出来ます。具体的に考えてみましょう。

 

毎月10,000円ずつ積み立て投資:1万口当たりの基準価額が当月10,000円、翌月5,000円、となった投資信託に10,000円ずつ積み立て投資すると、平均買付単価は算術平均の7,500円にはなりません。

 

基準価額10,000円の時10,000円で1万口買い、基準価額5,000円の時10,000円で2万口を買い、合計投資額20,000円で3万口を保有することになります。すると1万口あたりの平均買付単価は、以下の通りです。

 

20,000円÷3万口×10,000=6,667円

これは10,000円と5,000円の調和平均と一致します。

2÷(1/10,000円+1/5,000円)=6,667

 

基準価額は、10,000円でスタート後、5年で2,000円まで下落して、その後5年で10,000円まで回復しました。毎月1万口ずつ購入する口数指定の場合(灰色の折れ線グラフ)、2007年末の5,341円まで平均買付単価が下落し、このあと損益がプラスとなります。一方、毎月10,000円ずつ購入する金額指 定の場合(青の折れ線グラフ)、平均買付単価は4,351円まで下落し、基準価額が4,400円になる2007年6月に損益がプラスに転じます。  中長期的に積み立て投資をする場合の効果を検証すると、 ①口数指定:買付単価が算術平均(5,341円まで下落) ②金額指定:買付単価が調和平均(4,351円まで下落) 算術平均≧幾何平均≧調和平均の関係が成り立ちますが、調和平均の金額指定の方が算術平均の口数指定よりも買付単価が安くなります。このように、口数指定よりも金額指定の方が、より大きな積み立て投資の効果を得ることができます。
[図表]中長期的に見た基準価額と平均買付単価の推移 基準価額は、10,000円でスタート後、5年で2,000円まで下落して、その後5年で10,000円まで回復しました。毎月1万口ずつ購入する口数指定の場合(灰色の折れ線グラフ)、2007年末の5,341円まで平均買付単価が下落し、このあと損益がプラスとなります。一方、毎月10,000円ずつ購入する金額指
定の場合(青の折れ線グラフ)、平均買付単価は4,351円まで下落し、基準価額が4,400円になる2007年6月に損益がプラスに転じます。

中長期的に積み立て投資をする場合の効果を検証すると、
①口数指定:買付単価が算術平均(5,341円まで下落)
②金額指定:買付単価が調和平均(4,351円まで下落)
算術平均≧幾何平均≧調和平均の関係が成り立ちますが、調和平均の金額指定の方が算術平均の口数指定よりも買付単価が安くなります。このように、口数指定よりも金額指定の方が、より大きな積み立て投資の効果を得ることができます。

 

 

当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識役に立つ平均編(3)<調和平均>』を参照)。

 

カメハメハ倶楽部セミナー・イベント

【5/7開催】ABBA案件の成功体験から投資戦略も解説
世界の有名アーティスト「音楽著作権」へのパッション投資とは

 

【5/8開催】使わない理由はない!?
金融資産1億円以上の方だからできる「新NISA」活用術

 

【5/8開催】「相続登記」を放置するとどんなトラブルに?!
2024年4月施行「相続登記の義務化」を専門弁護士がイチから解説

 

【5/9開催】認知症対策だけじゃない!
数世代先の相続まで見据えた資産管理・承継ができる
「家族信託」活用術

 

【5/9開催】「海外法人のつくり方・つかい方」
日本に居ながら自分の「分身」を海外に作るメリットは何か?

 

【5/11開催】相続人の頭を悩ませ続ける
「共有名義不動産」の出口は“売却”だけじゃない!
問題点と最新の解決策を藤宮浩氏が特別解説

 

【5/12開催】良い案件を見つける3つの方策とは?
「日本型オペレーティングリース」投資の基礎講座

【ご注意】
●当レポートはピクテ投信投資顧問株式会社が作成したものであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、また特定の銘柄および市場の推奨やその価格動向を示唆するものでもありません。
●運用による損益は、すべて投資者の皆さまに帰属します。当レポートに基づいて取られた投資行動の結果については、ピクテ投信投資顧問株式会社、幻冬舎グループは責任を負いません。
●当レポートに記載された過去の実績は、将来の成果等を示唆あるいは保証するものではありません。
●当レポートは信頼できると考えられる情報に基づき作成されていますが、その正確性、完全性、使用目的への適合性を保証するものではありません。
●当レポート中に示された情報等は、作成日現在のものであり、事前の連絡なしに変更されることがあります。
●投資信託は預金等ではなく元本および利回りの保証はありません。
●投資信託は、預金や保険契約と異なり、預金保険機構・保険契約者保護機構の対象ではありません。
●登録金融機関でご購入いただいた投資信託は、投資家保護基金の対象とはなりません。
●当レポートに掲載されているいかなる情報も、法務、会計、税務、経営、投資その他に係る助言を構成するものではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧