小会社は「純資産価額方式」での評価が基本
自社の会社規模が判定できたら、これを基にして会社規模別に定められた株式評価方式を使って株価を算出します。使用する評価方式は、大会社は「類似業種比準価額方式」、小会社は「純資産価額方式」を使うのが基本になります。
また、中会社は「類似業種比準価額方式」と「純資産価額方式」の要素を併せ持つ「併用方式」を使用します。
会社の規模はできれば「大会社」に
類似業種比準価額が純資産価額より低い場合には、類似業種比準価額方式の比重を高めるようにし、会社規模を変えるという方法もあります。もちろん、役員に対する退職金などの支払いで内部留保を減らす方法も併用し、できるだけ純資産を圧縮しておく努力は欠かせません。
類似業種比準価額方式は、上場している類似業種の株価を反映しています。そのために、先にも述べた通り、リーマンショックなどのように大きく景気が減退する局面では上場株式も大きく値を下げるのと連動して、非上場株式の株価も大きく引き下げる効果が期待できます。
これが、事業承継にとっては、またとない絶好のチャンスになります。できるだけ会社の規模を大会社にしておくことをおすすめする理由はご理解いただけると思います。