政策金利0.75%に据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は、12月3日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を過去最低の0.75%に据え置きました。据え置きは2会合連続で市場の予想通りでした。RBAは2019年に入って6月、7月、10月の3回、利下げを実施しています。
経済物価見通しは維持
■声明文の基本的なトーンに、変更はありませんでした。RBAは景気が昨年後半の停滞から緩やかに転換点を迎えたようだとみており、GDP見通しについて2021年の3%成長に向けて徐々に回復するシナリオを維持しました。
■また、インフレ率の見通しについても、2020年、2021年に2%に近づくとして、前回の見通しを維持しました。
豪ドルはもみあいに
■RBAは声明文で、「完全雇用とインフレ目標の達成のため、長期にわたる低金利が必要と予想するのは妥当だ」と述べています。また、今後の金融政策について「必要ならさらに緩和的な政策をとる準備がある」として、引き続き再利下げに含みを持たせました。
■弊社では、個人消費の回復の遅れなどからRBAが来年1-3⽉期に追加利下げを行うと予想しています。
■RBAの金融政策現状維持を受けて一段の金利低下期待が後退し、3日の豪ドル相場はやや上昇しました(15時時点)。中国国家統計局が発表した11月の製造業PMIが上昇し、中国景気の底入れ期待が高まっていることも豪ドル相場の支えとなっているとみられます。ただし、RBAの再利下げ観測は残っていることから豪ドルの上値も抑えられるため、豪ドル相場は当面もみ合いになりそうです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪政策金利、0.75%に据え置き…2019年12月』を参照)。
(2019年12月3日)
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