10月の投資環境
10月の世界株式市場は、MSCI世界株価指数(現地通貨ベース)で上昇しました。
世界の株式市場は、9月の米ISM製造業景況指数が市場予想を下回って低下した一方、米雇用統計が概ね良好な結果となったことなどから上旬は上下に変動する展開となりました。その後は、米中貿易協議への期待が高まったことや英国の合意なき欧州連合(EU)離脱が回避されるとの期待などを背景に月末にかけて上昇基調となりました。
また米国を中心に企業決算が市場予想を上回ったこと、米国やユーロ圏などの金融緩和期待なども株式市場にとってプラス要因となりました。業種別では、ヘルスケア、情報技術、資本財サービスなどが市場平均を上回って上昇した一方、エネルギー、公益事業、生活必需品などは下落しました。
こうした中、水関連企業(現地通貨ベース)の株価は市場の上昇を上回る上昇となりました。装置製造エンジニアリングセクターは、特に消費関連銘柄にけん引され最も上昇したほか、上下水道ビジネスセクターも堅調でした。環境マネジメントサービスは小幅な上昇にとどまりました。
上下水道ビジネスセクターでは、ブラジルのサンパウロ州基礎衛生公社が、すでに上院を通過した同社にとって有利な水道関連の法規制が下院に送られる見込みとなったことや民営化を通じた資本構成の最適化が、コスト効率とコーポレート・ガバナンスの改善により企業価値の増大に資するものとなる可能性が高まったことから、株価が上昇しました。一方、チリのアグアス・アンディーナスは同国の反政府デモを懸念し株式市場が下落する中で下落しました。
装置製造エンジニアリングセクターでは、英国のファーガソンは良好な業績発表やシェア拡大が好感されました。また、同社の事業の多くを占める米国への上場市場の変更を検討している点もプラス要因となり株価が上昇しました。一方、米国のダナハーは堅調な業績とGEから買収した事業の拡大見通しもありましたが、株価はすでに織り込んでいると見られ軟調な展開となりました。
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今後の見通し
足元では、貿易問題や米国の金融政策、地政学的リスクなどマクロ経済見通しを不透明にする多くの要因があり、世界の経済成長に対してプラス、マイナスの両方に作用しています。不透明な環境は、世界全体の製造業景気指数が弱気な見通しを示すなどビジネス・センチメントに影響しています。グローバルな2019年の企業業績は2018年より緩やかなぺースで成長すると予想されていますが、GDP成長率見通しは2018年並みとされています。
水関連インフラへの投資は必要不可欠であり、中長期的に見ると、世界的に事業展開を行う水関連銘柄のファンダメンタルズは堅調であると考えます。温暖化の影響から世界的な気候変動によって引き起こされる干ばつや洪水の問題なども、水関連インフラへの投資を呼び起こしています。中長期的に水関連銘柄は引き続き魅力的な投資対象であると考えます。
※将来の市場環境の変動等により、当資料記載の内容が変更される場合があります。
当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2019年10月の水関連株式市場』を参照)。
(2019年11月21日)
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