プロが作る「揚げ物」では血糖値は上がらない…その理由は?

健康のために「糖質制限」にチャレンジしたものの、美味しいご飯の誘惑に勝てず挫折してしまった経験はありませんか?  本連載では医師の市川壮一郎氏の著書、『ゆる糖質オフ そうだったのか 食事術!』(時事通信社)の中から一部を抜粋し、「糖質中毒」のメカニズムや、挫折しらずのゆるい糖質制限の方法を紹介していきます。今回は、筆者自身が食前・食後に血糖値を測った検証結果の第2弾。油を使った料理などを

揚げ物は「衣を薄く」が健康のキーワード

前回(参照記事『まさに糖質爆弾!? おにぎりを買うなら「1個まで」にすべきワケ』)、どんな料理が血糖値を上げるのか、あるいは上げないのかについて検証してきました。今回も、筆者自身が料理を実際に食べて、血糖値を測定した結果をもとにお伝えしていきます。

 

※測定には「リブレ」という医療機器を使っています。医療機器といっても大袈裟なものではありません。上腕部にパッチを貼っておくだけで、携帯電話サイズの機器と連動して簡単に血糖値が測定できる優れものです。

 

もし、納得できないものがあったり、「もっと、こういう料理について血糖値が上がるかどうか知りたい」という人は、尿糖検査で確認してください(『ゆる糖質オフ そうだったのか 食事術!』87ページ参照)。検査紙に何ら変化がなければ、その料理は食べて大丈夫と考えていいでしょう。

 

【測定記録⑥】串揚げ

◆自宅で揚げるならオリーブオイルで

食前82㎎/dLから食後1時間で112㎎/dLへ

 

自宅で調理された串揚げを10本食べました。具は、肉、魚、野菜などいろいろですが、イモ類など炭水化物系のものは入れてありません。食前と比べて、血糖値は40上がりました。それでも122ですから許容範囲です。

 

揚げ物が血糖値を上げるのは油のせいではありません。衣に使っているパン粉や小麦粉の糖質によるのです。ですから、大事なのは衣を厚くしないことです。プロが調理する外食での串揚げは、どれも衣が薄いので、具に炭水化物を選ばなければ血糖値については心配いらないでしょう

 

なお、家で調理をするなら、揚げ油にはオリーブオイルを使いましょう。その理由は本誌(『ゆる糖質オフ そうだったのか 食事術!』)4章で詳しく述べます。

 

【測定記録⑦】天ぷら

◆衣を薄くすることでクリアできる

食前88㎎/dLから食後1時間で120㎎/dLへ

 

自宅で調理した天ぷらを食べたときの結果です。エビ、魚、イカ、野菜類といった専門の1人前に当たる分量を食べました。調理にはオリーブオイルを使っています。衣を薄めにしたためか、血糖値の上昇は32で済みました。

 

衣は小麦粉ですから、厚くつければ血糖値を上昇させます。だから、天ぷらでは、できれば「かき揚げ」は避けましょう。かき揚げは、細かい具の間に衣がたっぷり入り込みます。立ち食いそば屋の天ぷらのように、わざと衣を大きくしてあるものもNGです。締めの天丼や天茶漬けもやめておきましょう。

 

衣が薄い天ぷらはおいしく健康的
衣が薄い天ぷらはおいしく健康的

 

【測定記録⑧】中華料理

◆とろみと塩分が危険

食前84㎎/dLから食後1時間で176㎎/dLへ

 

自宅で、中華風チキン南蛮と酢豚を食べた結果です。ちなみにわざとチキン南蛮は甘酢ダレたっぷり、酢豚も同様にタレたっぷりでいただきました。中華料理店で食べるにしろ、市販の「中華のもと」を使って自宅でつくるにしろ、とろみに含まれる糖質が結構、血糖値を上げます。 また、チキン南蛮のタレのような砂糖を多く使った味付けも注意が必要。今回の血糖値の上昇は、こうしたことが原因と思われます。

 

また、塩分が多く、化学調味料が多用されているのも気になるところです。ただ、中華料理は野菜もたっぷり使われていて、バランスのいい料理といえます。肉と野菜の炒め物、麻婆豆腐や麻婆ナスなどの中華風のおかずは、素材自体は悪くありません。調味料やとろみを少なめに、自宅で楽しむのが安全でしょう。なお、餃子や春巻き、シュウマイなど点心類は、炭水化物と考えてください。いずれの皮も小麦粉が原料です。

 

中華料理はとろみに気を付けて
中華料理はとろみに気を付けて

「ちくわぶ」はダメで「がんもどき」はOKのなぜ?

【測定記録⑨】おでん

◆ネタによって血糖値は激変

食前90㎎/dLから食後1時間で98㎎/dLへ

 

この数値は、大根と卵、こんにゃく、がんも、牛すじを食べた結果です。おでんは、どのネタを選ぶかによって優良メニューにも最悪メニューにもなります。 おでんネタは血糖値を上げるものと上げないものにきれいに分かれるのです。

 

おすすめは、豆腐、卵、大根、こんにゃく、昆布、がんもどきなど。やめておいたほうがいいのは、さつま揚げ、はんぺんといった練り物類です。練り物にはつなぎとして小麦粉類が多く使われているためです。なかでもとくにダメなのがちくわぶ。あれは小麦粉を練り固めただけのものです。一方、がんもどきは練り物の仲間のように見えて、主材料は豆腐。だから、ほとんど血糖値を上げません。

 

ネタをセレクトして、おいしく健康的に
ネタをセレクトして、おいしく健康的に

 

【測定記録⑩】にぎり寿司

◆シャリ少なめがポイント

食前82㎎/dLから食後1時間で132㎎/dLへ

 

行きつけの寿司屋でにぎり1人前(10貫)を食べた結果です。ただし、私はいつも「シャリ少なめで」というリクエストを出しており、今回もそうしました。シャリが大きいものを食べれば、今回の測定結果よりもはるかに高くなると思われます。

 

ただし、酢飯は酢の効果によって、普通のご飯よりも血糖値が上がりにくくなっています。 ある寿司屋では、にぎりやチラシのほかに海鮮丼も出しており、それには酢飯でなく普通の白米を使っているとのことでした。私がこの店で海鮮丼を1人前食べてみたところ、食前90だった血糖値は1時間後に230で上昇しました。私にとって1人前とはいえないもので、そもそもご飯の量が多すぎるのです。

 

こういうケースでは、白いご飯を使った海鮮丼よりは酢飯を使ったチラシ寿司が、それよりさらにシャリを少なめにしてもらったにぎり寿司がいいということになります。

 

酢のパワーを体感
酢のパワーを体感

 

循環器専門医、日本糖質制限医療推進協会提携医

1975年生まれ、東京都出身。千葉大学医学部を卒業後、循環器専門医として救急医療に邁進する中で、病気となってから受診するのではなく、その前に予防できればより多くの方が毎日を健やかに過ごすことができると確信。2018年に生活習慣病を中心とした診療をするため、千葉県船橋駅前に「いちかわクリニック」を開業(https://ichikawa-cl.com)。日々訪れる数多くの患者さんに、食生活を含めた生活習慣の改善を行っている。特に糖質制限については、遠方からの受診を希望される患者さんも多く、糖質の取りすぎを無理なく是正することで、数多くの糖尿病患者さんの改善に成功している。

著者紹介

連載無理をせずに体質改善!「ゆる糖質オフ」食事術

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