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オルタナティブ投資の効果
オルタナティブ投資の大きな特徴は、①伝統的な資産への投資と比較してリスク量設定の自由度が大きいこと、②リスク量をうまくコントロールできれば値動きが相対的に小さい運用を行うことができること等があげられます。
また、他資産との相関係数が低いため、オルタナティブ投資をポートフォリオに加えることで全体のリスク低減と、リスク/リターン特性を改善する効果が期待できます。一方で、オルタナティブ投資は玉石混交とも言え、個々のオルタナティブ投資の内容の理解や、様々なオルタナティブ投資へ分散投資を行うことが重要です。
従来のポートフォリオのリスク低減方法とは
伝統的な資産運用においては、米国債をはじめとした世界国債が、ポートフォリオの中でいわばクッションのようにリスクを小さくする役割を果たしてきました。しかし近年、これら世界国債の利回りが歴史的な低水準にある状況下、今後もこれまでのようにクッションの役割を果たすことを期待するのは困難と見られています(図表1参照)。
このような環境の中で世界国債の代替として、オルタナティブ投資をポートフォリオに組入れることで、ポートフォリオ全体のリスクの低減やリスク/リターン特性の改善といった、従来世界国債が担っていた役割を期待できる可能性が出てきました。
オルタナティブ投資の特徴
オルタナティブ投資の特徴として、主に以下の2つがあげられます。
1.リスク量設定の自由度が大きい
伝統的な資産への投資と比べてオルタナティブ投資は、リスク量を大きくしたり小さくしたりする自由度が非常に大きくなります。例えば、マーケットニュートラル戦略では、買い(ロングポジション)と売り(ショートポジション)を調節することによって、買いと売りのβ値を同じ値にして、ロングとショートのβ値が互いに打ち消しあって、βに依存しない、すなわち市場全体のリスクを回避する運用を行うことが期待できます。
2.リスク量をうまくコントロールできれば低リスク運用が可能
オルタナティブ投資の指数ベースでのリスク値は5%程度で、米国国債なみのリスク値と言えます(図表2参照)。但し、オルタナティブ投資のリスク値は自由に設定でき、個々のオルタナティブ戦略のリスク値は様々です。
オルタナティブ投資の効果
オルタナティブ投資は、株式や債券といった伝統的な資産と異なる値動きをする傾向にあります。典型的な例として、オルタナティブ投資の一つである金は株式や債券との相関係数が相対的に低くなっています(図表3参照)。
そこで金を伝統的な資産のみのポートフォリオに組入れることによって、ポートフォリオ全体のリスクの低減と、リスク/リターンの改善を図ることが可能となります。
一方円ベースで見た場合、円と外貨の為替レートの変動の影響を受けることから、相対的に相関係数が高くなっています(図表4参照)。
オルタナティブ投資の留意点
オルタナティブ投資、特に絶対収益型投資戦略は玉石混交とも言え、その中には複雑な投資戦略やレバレッジで非常に大きなリスクをとるもの、運用者の腕が投資成果を大きく左右する戦略も存在します。このような問題に対応するためには、個々のオルタナティブ投資の内容の理解と様々なオルタナティブ投資へ分散投資を行うことが重要です。
当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『実践的基礎知識オルタナティブ編(6)<オルタナティブ投資の効果> 』を参照)。
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