実践的基礎知識オルタナティブ編(5)<代表的な戦略②アービトラージ戦略>

ピクテ投信投資顧問株式会社が、実践的な投資の基礎知識を初心者にもわかりやすく解説します。※本連載は、ピクテ投信投資顧問株式会社が提供するコラムを転載したものです。

代表的な戦略②アービトラージ戦略

オルタナティブ投資の絶対収益型投資戦略の代表的なものにアービトラージ戦略があります。この戦略はゆがんだ価格が適正な価格に調整される過程で収益を得ようとする投資戦略です。この戦略は流動性の低い銘柄や市場でより有効とされている分、予想と反した動きをした場合に損失が大きくなるリスクには注意が必要です。

アービトラージ戦略

アービトラージ戦略とは、ゆがんだ価格は適正な価格に調整されるはずである、一物二価はあり得ず、1つの価格に向かって収斂していくはずである、という前提に基いた戦略です。

 

一例としては、同一の発行体の異なる証券の価格差異に着目し、一物一価の原則通りに1つの価格に収斂することで利益が得られるようなポジションを組む投資です。例えば、2つの市場で取引される同一発行体の株式の片方が割安で他方が割高だった場合、割高な銘柄をショートにし、割安な銘柄をロングにする事によって、期待通り割安な銘柄が値上がりして割高な銘柄が値下がりすれば利益が得られ、反対の結果となれば損をするという具合です。

 

例えば、A社(日本企業)の株式が東京市場と香港市場で取引されていて、同時刻に東証では1,000円、香港市場では50香港ドルで取引されていて、為替レートは1香港ドル=14円だったとします(図表)。

 

[図表]アービトラージ戦略の例

 

A社の株価の適正価格を900円だと分析した場合、東京市場で取引されている株価1,000円は割高、香港市場で取引されている株価50香港ドル(50香港ドル×14円=700円)は割安と判断でき、A社の株価はいずれ900円に収斂すると考えることができます。

 

したがって、東京市場で取引されているA社の株式をショートに、香港市場で取引されているA社の株式をロングにすることで、実際に収斂が起こった場合にリターンを獲得することが期待できます。

 

※簡略化して説明するため、それぞれの取引にかかるコスト(株式の売買手数料や貸株料や金利など)は無いものとします。また、香港ドル/円の為替レートも一定であると仮定します。

アービトラージ戦略のリスク

しかしこの戦略は、取引量の多い、つまり流動性の高い銘柄や市場では機能しにくく、流動性の低い銘柄や市場でより有効とされています。

 

したがって、流動性の低い資産は値動きが大きくなる傾向にあることや、そもそも予想した適正価格の設定が間違っていたり、収斂が発生せず期待した結果が得られない、といった可能性がある点に留意が必要です。

 

また、予想と反対の動きをした場合には損失が非常に大きくなります。

 

 

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1981年、日本経済や株式市場の調査を目的に東京事務所を設立しました。その後、1987年から機関投資家を対象とした資産運用サービス業務を開始、1997年には投資信託業務に参入し、運用資産総額は1.98兆円となっています(2018年12月末現在)。外資系運用機関の大手の一角として、特色ある資産運用サービスをお届けしております。

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