世界の金融は「ドル」が基盤です。本連載は、ロサンゼルス在住の元バンカーである金井規雄氏の新刊で、2015年10月に刊行された『ドル資産を持て!』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、ドル資産の具体的な築き方などをご紹介します。

古銭業により名門貴族との関係を構築

現在の金融システムを構築したのは、ロスチャイルドといわれています。では、なぜロスチャイルドが金融において、他のユダヤ人ではなく、国際的な金融システムを構築できたのでしょうか? 今回は、それについて見ていきます。

 

強制的に住まされた「ゲットー」
ゲットー

初代ロスチャイルドは、1744年ドイツ・フランクフルトのユダヤ人の強制居住区(ゲットー)で生まれました。この時代、迫害を受けていたユダヤ人たちは、この狭いゲットーに強制的に集められ住まわされていました。

 

彼の本名はマイヤー・アムシェル・バウアー・ロスチャイルドといいますが、興味深いことにマイヤーはドイツの一般的な名前のため、ドイツ系と取引・商売をする時はこのマイヤーを使い、アムシェルはユダヤ系の名前のため、ユダヤ人と商売をする場合は、このアムシェルを使用し、うまく使い分けていたようです。

 

彼は20歳の時(1764年)、ドイツにロスチャイルド商会を設立します。主たる業務は、両替業(為替業)、貸金業、古銭業でした。

 

両替業というのは、当時ドイツは100以上の小国・王国に分かれていましたので、それぞれの小国のお金を使用しないといけなかったのです。つまり、人々は訪問する国が代わるたびにその国のお金に両替しないといけなかったわけです。ちょうど今の海外旅行に行く時に、その訪問先の国の通貨(ないしはドル)に両替しますが、それと同じことになります。両替ではその手数料を徴収します。

 

古銭業は、たくさんの公国・小国が独自性を出すため、そこにいろいろな趣向を凝らしデザインした硬貨を造ります。それぞれ特徴ある硬貨で、当時の上流階級に愛好家が多く、両替業を通して、多くの国の硬貨を得られていましたので、愛好家に高く売っていたと思われます。

 

そして彼は1775年、この古銭業を通じてドイツの名門貴族と親しくなり、まずその貴族の財産運用を任され、最終的にはその国の財政を一手に引き受けることに成功します。実はこの貴族は戦争のための傭兵を鍛えており、その時アメリカが独立戦争中で、この鍛えた傭兵をイギリス政府に貸し出すというビジネスを行っていて、当時ではかなりの資産家・財産国でした。これをきっかけにロスチャイルドは、力をつけていきます。

 

初代ロスチャイルド
初代ロスチャイルド

ユダヤ資本とFRBとの関係性を示す「1ドル札」

アダム・ヴァイスハウプト「Novus Ordo Seclorum」
アダム・ヴァイスハウプト「Novus Ordo Seclorum」

1年前の1774年に、この初代ロスチャイルドは、フランクフルトに12人の時の実力者を集めて、世界のすべてのマンパワーと資源を独占的に支配することを目的とした会議を開催した、とされています。その目的を達成するために、1776年、「早熟の天才」とうたわれわずか24歳で大学教授になったユダヤ人のアダム・ヴァイスハウプトが創設する光明会(イルミナティー)に資金援助します。

 

このイルミナティーの目的は、「世界を知的で有能な人物に支配させ、すべての戦争を防止させるために、世界統一政府を樹立すること」として、当時最も聡明であるといわれた人々を2000人も集めたそうです。この目的は、ロスチャイルドが1774年にフランクフルトで会議した目的と同じであるといえます。


蛇足ながら、このイルミナティーの共同設立者に、ポーランド出身で、ユダヤ教の救世主思想を戦闘的思想に転換させたユダヤの歴史において最重要人物の一人であるヤコブ・フランクがその名を連ねています。世界統一政府を樹立したいとするグループ創始者がユダヤ人で、その資金提供をしたのが、これまたユダヤ人です。

 

実は、このイルミナティー創設者のアダム・ヴァイスハウプトは、「Novus Ordo Seclorum」という本を出版しています。Novus Ordo Seclorumはラテン語で、英語では、New World Orderと訳します。つまり、「新世界秩序」ということです。

 

1ドル紙幣
1ドル紙幣

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ドル資産を持て!

ドル資産を持て!

金井 規雄

週刊住宅新聞社

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