株式市場は8月以降もみあい続く
■9月に入り、インド株式市場は下落後、持ち直す展開となっています。8月末に発表された4-6月期の実質GDP成長率が予想を大幅に下回ったことを受け、代表的な株式指数であるSENSEX指数は、月初に急落して始まりました。しかし、米中協議の再開への期待などから世界の株式市場が上昇したことに加え、政府による追加の景気刺激策への期待もあり、SENSEX指数は戻り歩調にあります。8月以降、SENSEX指数は比較的狭いレンジでもみあいが続いています。
GDP成長率が大幅減速
■8月30日に発表された4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+5.0%と、市場予想の同+5.7%を下回り、1-3月期の同+5.8%から鈍化しました。成長率鈍化の主因は個人消費の落ち込みによるもので、4-6月期は同+3.1%と、1-3月期の同+7.2%から大幅に減速しました。この背景にはノンバンクを中心とした金融機関の貸し渋り問題があるとみられます。インド政府は同日、金融機関の貸し渋りが景気を下押しする一因だとして、10行の国営銀行を4行に統合する案を発表しました。
景気は2019年後半に持ち直しへ
■インド準備銀行は金融面で景気のサポートに動いています。8月の金融政策決定会合で、予想を上回る幅の追加利下げを行うと共に、金融機関の貸し渋り問題に対し、ノンバンクへの貸し出し規制の緩和策を発表しました。インド政府が追加の景気支援策を打ち出したことも後押しし、7-9月期以降個人消費は緩やかに回復に向かうと考えられます。インド景気は2019年後半に持ち直すとみられ、株式市場は底堅い推移が期待されます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『GDP成長率は下振れも19年後半に持ち直しへ』を参照)。
(2019年9月12日)
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