業績底入れのタイミングは20年第1四半期頃か

業績悪化懸念を織り込む日本株式市場/デイリーマーケットレポート

三井住友DSアセットマネジメント株式会社 調査部
業績底入れのタイミングは20年第1四半期頃か

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

年初の水準にほぼ戻る

TOPIXの予想PERは年初来の11倍台

 

■日本株式市場は、調整基調が続いています。米中貿易摩擦の影響で日本企業の業績が悪化傾向にあり、これが投資家のセンチメントを悪化させていることなどが背景です。東証株価指数(TOPIX)は8月13日以降、終値ベースで1,500ポイントを割り込み、予想株価収益率(予想PER)が11倍台をつけるなど、年初の水準にほぼ戻った状態です。

 

(注)データは2015年1月5日~2019年8月20日。株価収益率(PER)の倍数(11倍~14倍)に1株当たり予想利益をかけてTOPIXの水準を試算。1株あたり予想利益は12カ月先予想(Bloomberg L.P.集計)。  (出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
PERの倍率で試算したTOPIX (注)データは2015年1月5日~2019年8月20日。株価収益率(PER)の倍数(11倍~14倍)に1株当たり予想利益をかけてTOPIXの水準を試算。1株あたり予想利益は12カ月先予想(Bloomberg L.P.集計)。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

業績底入れは20年第1四半期頃か

米国と欧州の景況感の改善に期待

 

■今後は、日本の企業業績の悪化がいつ底入れするか、が重要なポイントになりそうです。業績の見通しに対して、米国、中国、欧州、日本の景況感の見通しなどを用い、マクロ面から試算しました。その結果、米国から中国への追加関税が発動されなければ2020年2月頃、発動されれば4月頃と予想されます。地域別では中国の景況感の改善には時間がかかる見通しですが、米国と欧州の景況感の改善が期待されます。

 

 

来年年初にかけて日本の株式市場は徐々に回復すると期待

 

■この業績見通し等を前提に、今後の株価の見通しを考えてみます。まず、バリュエーションですが、予想株価収益率は11倍台となっており、業績の悪化を相当程度織り込んでいると考えられます。

 

■次に、株価と業績の関係を見ると、業績の回復に先行して株価が上昇する傾向が確認できます。日本も緩やかですが景況感の改善が期待できそうです。株価はこうした動きを事前に織り込むと考えられることから、来年年初にかけて日本の株式市場は徐々に回復すると期待されます。

 

(注)データは2016年1月~2020年6月。2019年8月以降は各種経済指標等から弊社試算。追加関税ありは中国からの輸入品3,000億ドルに対して10%の追加関税をかけた場合。1株当たり予想利益は12カ月先予想(Bloomberg L.P.集計)。 (出所)Bloomberg L.P.、各種データを基に三井住友DSアセットマネジメント作成
1株当たり予想利益の推計値 (注)データは2016年1月~2020年6月。2019年8月以降は各種経済指標等から弊社試算。追加関税ありは中国からの輸入品3,000億ドルに対して10%の追加関税をかけた場合。1株当たり予想利益は12カ月先予想(Bloomberg L.P.集計)。
(出所)Bloomberg L.P.、各種データを基に三井住友DSアセットマネジメント作成

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『業績底入れのタイミングは20年第1四半期頃か』を参照)。

 

(2019年8月21日)

 

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