暗号資産投資家が「ハッキング事件発生時」に買いに走るワケ

2018年1月に発生したコインチェックのハッキング事件に続き、2019年7月には、BITPointから約30億円相当の暗号資産がハッキングにより流出した。セキュリティー管理への不安を煽る度重なる事件から、世間では「暗号資産は危険」との声が高まっている。しかし、暗号資産投資家の間では「ハッキング発覚時は買い」との声も。本記事では、仮想通貨FXトレーダー向けサイト「3分で分かる暗号資産とFX」を運営するBULLヒロ氏が、取引所のハッキングが発覚した場合における対処法を詳しく解説する。

100億円超の被害額となった「ハッキング事件」

BULLヒロです。「3分で分かる暗号資産とFX」という、暗号資産情報サイトを運営しております。

 

コインチェックでのハッキング事件に続き、またBITPointでのハッキングが発生し、メディアでは「ハッキングが繰り返される暗号資産(仮想通貨)は危険である」との報道が相次いでいます。

 

しかし、暗号資産投資経験が長い一部の投資家からは「ハッキングは買い」との声があります。今回は、過去の大きなハッキングの後の値動きから、今後ハッキングが発生したときに、どのように立ち回ればいいのかを考えたいと思います。

 

◆ハッキング発覚による「ビットコイン価格」への影響

 

暗号資産のハッキングは大小含めると何十件もありますが、100億円を超える大きな被害を受けたものは、下記の3つの事件です。この3つの事件において、ハッキングが発覚したあとの値動きを一度整理しましょう。

 

●マウントゴックス

2014年2月7日 引き出し停止を公表

被害額:時価480億円相当

 

●Bitfinex

2016年8月3日 ハッキングを公表

被害額:時価770億円相当

 

●Coincheck

2018年1月27日 ハッキングを公表

被害額:時価580億円相当

 

①マウントゴックス事件

 

マウントゴックスのハッキングは、2014年に発生したと記憶している人が多いでしょう。しかし、実際のハッキングは2011年から断続的に行われており、2014年2月7日に顧客資産の引き出しを停止したことにより表面化しました。

 

そのため、ハッキングされたビットコインの売却による下落影響がいつ発生したのかは、明確な日時は判明していません。あくまで、問題が顕在化してからの影響になりますが、問題が顕在化した2月7日以降は陰線が続き価格が下落しています。

 

その後、2月10日には大きな下ひげをつけた下落が発生していますが、注目したいのは大きく売られても再度価格が戻っている点と、数ヶ月単位の長期では再度価格が戻っている点です。

 

[図表1]
[図表1]マウントゴックス事件前後の値動き
出典:Tradingview

 

②Bitfinex事件

 

Bitfinexは日本国内での知名度が低いですが、香港に拠点を置く、世界最大級の取引所です。Bitfinexでは、マウントゴックスやコインチェックを超える巨額のハッキング事件が発生しています。2016年8月3日の公表後、価格は一旦下げに転じていますが、それ以降長期目線では価格が継続的に上昇していることがわかります。

 

このBitfinex事件後の値動きを背景に、「ハッキングは買い」との話が投資家のなかで広まったともいわれています。

 

[図表2]
[図表2]Bitfinex事件前後の値動き
出典:Tradingview

 

③コインチェック事件

 

コインチェック事件については、ハッキングが公表された2018年1月27日以降、急激な価格下落を引き起こしています。これは、直前まで200万円を超える価格高騰を起こし、下落が開始していたので、すでに不安が蔓延していたマーケットがパニックに陥った状態といえます。

 

[図表3]Bitfinex事件前後の値動き 出典:Tradingview
[図表3]コインチェック事件前後の値動き
出典:Tradingview

ハッキング発覚直後には「大きな売り」が発生

◆ハッキングは「買い」なのか「売り」なのか

 

以上の事例考察から、ハッキングが公表された直後には必ず大きな売りが発生することがわかります。一旦の急落が発生した後、価格が戻るかどうかはハッキングまでの価格が高値圏にあったか安値圏にあったかで結果に差が出ており、安値圏であった場合は価格が戻る傾向にあるといえるでしょう。

 

現在の価格が高値であるか安値であるかは判断が難しいところですが、1つの手法としては日足移動平均線を使う方法があると思います。日足移動平均線とは、指定した日数の平均価格を線で描写してくれるツールで、どの取引所のツールでも搭載されている基本機能です。

 

何日分の平均価格を表示するかには、特に定まったルールはありません。ビットコインの場合は、100日移動平均線が意識されるケースが多いため、100日移動平均線以下の価格であれば安値圏とし、以上であれば高値圏とする判断が1つの目安になるのではないでしょうか。

 

◆ハッキング発生後の対処まとめ

 

最後に、実際にハッキング事件が発覚したあとに、どのような対処をすべきかをまとめていきます。

 

下記図表4は、直近で発生したBITPointのハッキング後の値動きです。ハッキング発覚の直後に一旦売りが発生していますが、その後、価格が戻っていることがわかるかと思います。

 

[図表3]
[図表4]Bitpointハッキング発覚後の値動き
出典:Tradingview

 

本格的な下落はピンク丸の位置で、実にハッキング発覚から1日以上が経過してからになります。このことからわかるのは、ハッキング直後に価格が下落していなくても、一旦は手放したほうが無難であるということです。BITPoint以前の事件でも、発覚から下落までは時差がある傾向にあります。

 

またBITPoint事件では、直前で価格が高騰していたため、日足100日移動平均線以上の価格でしたので、大きな売りが出たことも納得がいきます。

 

以上のことをまとめると、

 

1.ハッキングが発生した場合は、一旦暗号資産を売却するほうが無難

 

2.買い戻すべきかは日足移動平均線の上にあるか、下にあるかで判断する

 

今後もハッキングが発生した場合には、このような基準で考えるといいでしょう。

 

株式投資歴5年の仮想通貨スイングトレーダーで、普段の仕事はIT系事業開発です。
トレーダー向けイベントInvestor Meet upや、3分で分かる仮想通貨ブログを運営しています。

著者紹介

連載株 vs 仮想通貨…初心者のための仮想通貨投資講座(BULLヒロ)

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